初期アフ無線 ICOM IC-F3S

初期アフ無線 ICOM IC-F3S

永らく欲しいものリストに入っていたアイテムでしたが、この度入手しましたので記事にしておきます。
ミリブロ等でも取り上げている方はほぼいませんが、特段レアでも高価でもなく入手は容易で、ただニッチなだけのアイテムだと思います(笑)

無線機は基本ポーチの中等に入っていてほぼ見えないので、優先順位が中々上がらず「いつか手に入れればいいや」程度にずっと考えておりました。
しかしここ最近考察している番組「Special Operations Force: America's Secret Soldiers」で目立つ位置に装着しているのを見かけて、一気に欲しいものリスト首位に躍り出ました。
初期アフ無線 ICOM IC-F3S
初期アフ無線 ICOM IC-F3S

そしてふと気づいた時には手元にありました(笑)
初期アフガン~2000年中盤あたりの写真を見ていると、度々見かけるこのポーチや
初期アフ無線 ICOM IC-F3S

PTTが特徴的なこのヘッドセット
初期アフ無線 ICOM IC-F3S

これらは「Soldier Intercom」という米軍のプログラムのパッケージに入っているようです。
初期アフ無線 ICOM IC-F3S

「Soldier Intercom」は局地的な範囲での分隊内でのコミュニケーション強化のためのプログラムで、ネイティック研究所が1995年から推進していたそうです。
1997年にパナマで試験運用され、その後1998年からグリーンベレーをはじめ米陸軍各部隊で運用が開始されたようです。
ICOMは米軍に22000台以上のIC-F3Sを納入したようです。

参考、ICOM UKの参考ページです
IC-F3S米軍採用の背景:https://www.icomuk.co.uk/News_Article/3794/18747/
IC-F3/F4の紹介:https://www.icomuk.co.uk/categoryRender.asp?categoryID=3917&productID=1228&tID=938

ポーチは以前のVショーで1000円ちょっとで購入しました。
初期アフ無線 ICOM IC-F3S

ショップやヤフオク等でもちょくちょく出品があり、入手は容易だと思います。

今回IC-F3Sはebayで送料含めて5000円程度でした。
状態はまちまちですが、玉数はまだまだ豊富な様子です。
日本メーカーの製品ですが、国内流通はおそらく無し&対応電波が要免許なので、日本で売っているところを見かけるのはかなりレアです。
しかし軍用品ではなく完全に民生品なので、ebey等海外の市場では相当数玉数があると思われます。
動いたところで無免許では日本では違法なので、不動品を狙うのが安くて手間がかからずオススメです。

無線を調達したついでにこの「Soldier Intercom」で採用されているTELEX社製ヘッドセット「Stinger」もジャンク品ですが調達の目処が立ちましたので、手に入れたらまた記事にしようと思います。
初期アフ無線 ICOM IC-F3S

それではここからこの度入手したIC-F3Sについて詳細を書いていきたいと思います。
まず、似たような製品に「IC-F3」「IC-F4」「IC-F4S」というものがあります。

・F3とF4
対応する電波がVHFかUHFかの違いです。
無線関係は超ど素人ですが、UHFに対してVHFの方が直進性が無く、山間部等では通信が有利だそうです。
そう考えると、VHF帯の「F3」を選んだのは理にかなっている気がしますね。
外観上はアンテナの形状違いのみようです。
初期アフ無線 ICOM IC-F3S
左がF3、右がF4

公式の説明書の画像を引っ張ってきましたので、間違いはないと思います。
米軍装備的には「F3」の太いアンテナが正解のようですね。
後述しますが、サードパーティ製のアンテナも沢山売っているので、F4を似たような形の物に置き換えてもアリだと思います。
純正品は市場に見当たらず、さすがにもうあまり数は無さそうです。

・「S」の有無
「S」付きと「無印」は大きく外観が違います。
初期アフ無線 ICOM IC-F3S
左が「無印」、右が「S」付き

「無印」の方はキーパッドが付いていますね。
上記でリンクを貼ったページに書いてありますが、米軍はトライアルの結果、シンプルな「S」付きを選んだそうです。
従って米軍装備で「無印」を装備する説得力はあまり無いと思われますので注意が必要です。


また「IC-F3S-2」のように最後に「-2」付きや「-3」付きの製品もあります。
私の個体は「IC-F3S-2」です。
初期アフ無線 ICOM IC-F3S

ネットで「-3」の画像も見つけました。
初期アフ無線 ICOM IC-F3S

ICOMのホームページから取り扱い説明書のPDFが手に入るので見てみましたが、特に記載も無く、謎です。
基盤等、仕様に係わらない部分を内部的にモディファイしたのでしょうか?
外観上違いがあるのであれば知っておきたいところです。

次に私の入手した個体について書いていきます。
初期アフ無線 ICOM IC-F3S
初期アフ無線 ICOM IC-F3S

念のため、色々いじってみましたがうんともすんとも言いませんでした。
本体とバッテリーパックはワンタッチで取り外しできます。
初期アフ無線 ICOM IC-F3S

充電式の物がデフォルトのようですが、乾電池で給電できるようなアタッチメントもあるようです。
純正品の他にも、サードパーティ製のものも多くあるようです。

私の個体に付いていたバッテリーパックはラベルも付いていたのでおそらく純正品です。
しかし背面のクリップが破損していました。。
初期アフ無線 ICOM IC-F3S

クリップ無しでは下写真のようにチェストリグに引っ掛けたり、DCUのポケットに入れられませんので、修理必須です。
説明書や画像を見る限り、初期アフガンODAの装備しているIC-F3Sに付いていたクリップは下写真の形状のもののようです。
初期アフ無線 ICOM IC-F3S
初期アフ無線 ICOM IC-F3S
初期アフ無線 ICOM IC-F3S
初期アフ無線 ICOM IC-F3S

同じような形状の物がサードパーティからも出ていましたが、純正品は「ICOM」のロゴ刻印が入っているようです。
純正品が数百円で入手できたので、現在取り寄せ中です。

バッテリーパックは無駄に重かったので、破壊して中の電池を取り出しました。
初期アフ無線 ICOM IC-F3S

測ってはいませんが、200g程度は軽くなったと思います。
どうせ「がらんどう」の飾りなので、軽量化は大事ですね。

また、万が一があるといけないので、本体のバッテリーとの接点部を折って通電そのものを不可能にしました。
更に基盤についているコンデンサやら電子部品を見える限り引っこ抜いたので、これで問題ないと考えています。

また、私の個体はアンテナが経年劣化を起こし所々割れていました。
初期アフ無線 ICOM IC-F3S

材質はおそらくPUだと思います。
代替品を考えましたが、純正品は見つからず、似た形も無かったので補修を考えています。
補修に失敗したら「おゆまる」で型取りし、ゴムかウレタンあたりで複製を考えています。

余談ですが「おゆまる」は無限の可能性が拡がる魔法のアイテムです。
初期アフ無線 ICOM IC-F3S

100均等で売っていますが、熱湯で軟らかくなり、冷めると固まる樹脂です。
簡単な形状のものであればこれで型取りし、樹脂を流し込めば複製できます。
私はANVISのグラウンドアダプターがレプリカ含め市場で皆無の時に、友人に実物を借り、これで複製しました。
初期アフ無線 ICOM IC-F3S
初期アフ無線 ICOM IC-F3S
左が実物、右が「おゆまる」で型取りしウレタン樹脂で複製したものです。
材料費で言えばほぼタダです。
「おゆまる」についてはまた別の機会に記事にしようと思います。

最後に手持ちのポーチにIC-F3Sを入れてみました。
初期アフ無線 ICOM IC-F3S

かなりギチギチで、バッテリーパックが付いているとバックルが嵌らない始末です。
バッテリーパックを外して何とか納まります。
初期アフ無線 ICOM IC-F3S

専用品とは思えないサイズ感に多少困惑しています。
もしかしてこのポーチ、同じデザインで海兵隊等向けに支給されたIC-4008用と今回のIC-F3S用があったりするんでしょうか??
まあポーチに入れるなら「アンコ」で済んでしまうので、はなからポーチには入れず見えるように携帯するつもりなので別に良いのですが。

クリップやStingerヘッドセット等が届いたら続編を書こうと思います。
お読みいただきありがとうございました。




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2018年03月24日 Posted by 4039  at 21:39 │Comments(4)装備無線機初期アフガン

この記事へのコメント
いつも勉強させていただいています。
最近IC-F3Sの記事を詳しく書かれているので、私も欲しくなってきました。
話は変わるのですが、ANVISのグラウンドアダプターレプリカを作った黒色の樹脂材量は何という商品ですか?上手に作られているので教えて頂きたいです。
Posted by AKIAKI at 2018年03月26日 16:02
コメントありがとうございます。
私も自分で書いていて欲しくなってきて、とうとう買ってしまった次第です(笑)

グラウンドアダプターですが、「ホビーキャストNX」という2液硬化性の無発泡ウレタン樹脂(白)を使いました。
そこに黒色の専用顔料を混ぜ型取り→離型後ゲート&バリ処理→洗浄→ショートやヒケ箇所の微修正→洗浄→最後に模型用の黒色ラッカースプレーで塗装しています。
顔料で樹脂自体を黒くしておくことで、仕上げの塗装がラクでした。
Posted by 40394039 at 2018年03月26日 18:30
詳しくありがとうございます。
かなり丁寧な作業されていますね。流石です。
「ホビーキャストNX」私も買ってみます。なにか作ることがあれば私もブログにのせようと思います。参考になりました。ありがとうございます。
Posted by AKIAKI at 2018年03月26日 20:27
お褒めの言葉恐縮です。
いわゆる「ガレージキット」作りと同じ作業だと思います。
拙い説明ですが、少しでもご参考になれば幸いです。
いつもブログ楽しみにしてます。
これからもよろしくお願いします。
Posted by 40394039 at 2018年03月27日 00:19
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