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 Posted by ミリタリーブログ  at 

TCA PRC-148可動レプリカ 受信専用加工続き



先日手に入れたTCA製PRC-148ですが、無免許でも合法的に電源を入れて遊べるにはどうすれば良いか?引き続き色々調べています。
前回の記事「TCA PRC-148可動レプリカ

前回の記事でも書きましたが、日本の電波法においては「免許の無い人間が受信のみを目的としてアマチュア無線機を使用する場合は、無線機から容易に電波が発射できないような処置が必要」という認識です。
この「容易に」という表現が曖昧ゆえ、どこまでやれば良いかのはっきりとした定義が無い認識です。
PTTを押せば即発射できる無線機であっても電源を入れなければいいのか?電池を抜いておけばいいのか?本体のボタン操作で意図的に発射が出来なければ電源が入っていてもいいのか?送信デバイスを外したり破壊しなければいけないのか?ケースバイケースなのかもしれませんが、ネットを見ていても処置は人それぞれで正解は分かりません。
前回の記事で「本体&外付けPTTスイッチを作動しなくすればOK」と考えていましたが、まだ不十分である可能性が高いという事が判明しましたので、今回追加で加工を実施しました。

説明書を読んでいると、TCA(おそらくTRI等の他社製も)の148/152共に「VOX機能」という機能が付いていることが分かりました。


Voice Operated Transmissionの略のようです。
普通に考えれば「VOTじゃないの?」と思うところですが、「Transmit」を「Xmit」と略して記載する事がある為だそうです。
最近流行りの「DX」と同じカラクリということですね(デラックスって読むと笑われちゃいますよ!)。
略称の中に略称使うなんて、素人にとってはチンプンカンプンなのでやめていただきたいですね(苦笑)

VOXは無線機としては結構一般的な機能のようで、一定以上の音量を感知すると、PTTを押さなくても自動で発信する機能です。
つまり両手が塞がっていても、無線機に話しかるだけで通信できる便利な機能ということですね。
しかし今の私にとってはありがた迷惑極まりない機能です。
たとえPTT機能を殺してあっても、VOX機能が生きている限り電源を入れると違法な無線機と判断されかねません。

TCAの148はVOX機能はOFF、および感度を5段階で設定が出来ます。
OFFにすればどんなに声を掛けても発信する事はありませんが、本体のボタン操作で簡単にONに切り替えられます。
具体的にはMODEボタンを押してメニューを呼出し、「VOX」をOFF以外の感度設定にすればアクティブになります。
つまりこの状態では前回の記事で書いたように、電波法について総務省が言及している「無線機から容易に電波が発射できないような処置」が出来ていないとされる可能性が非常に高いと思います。
数秒間のボタン操作でVOX機能をONにして、「わーっ!」と声を浴びせれば違法な電波出し放題なわけなので、それは流石にアウトだろうと私は思いました。

なので、胸を張って電源を入れる為には、この厄介なVOX機能を物理的に作動させなくする必要があります。
作動させなくする為には、この無線機の「聴覚」を殺せばいいと考えました。
耳が無ければ一切の音声を検出できませんので、VOXをONにしても作動する事はないはずです。
無線機にとっての「耳」、即ちマイクですね。
本体、及び外付けのマイクの配線を切ってしまえば「耳無し148」となり、どんなにVOX感度を上げようが、無音の世界を生きる孤高のラジオと化した148君にはどこ吹く風になるわけですね。

作戦が決まったので実行です。
まずは外付けの方です。
前回の記事で書きましたが、6ピンコネクタの各配線の役割は下記になります。


マイクの配線は「D」なので、これを切れば外付けマイクを繋げても能無しになります。

次に本体です。
本体のマイクは前面の右上に空いている小さい穴の裏に配置されています。


前回のPTTカットは裏蓋を開けて隙間からの作業で対応できましたが、今回はフロントパネル側基盤の加工があるので、前後パネルを外しごっそり基盤を引きずり出してみました。


プラスドライバー1本でここまで分解できます。
コネクタ類は普通に手で抜き差し可能でした。
デカい図体に比べて中身はかなりシンプルな構造ですね。
実物はもっとごちゃごちゃしているんでしょうかね。
ちなみにネット掲示板等を見る限り、中身は手のひらサイズの安物ハンディ無線機と同じレベルのシロモノのようです(苦笑)


上画像は中国Baofeng(宝峰)社のUV5Rという無線機で、日本のアマチュア無線愛好家の間では「安くてそれなりの出来」で有名な機種のようです。
こちらでは1500円くらいで買え、日本でも3000~5000円で買えるレベルの無線機ですが、TCAやTRIのPRCの中身はこれと大差ないようです(笑)
まあ我々ミリオタにとっては中身は二の次、この姿形こそが大切ですね!

まずは外付けマイク配線のカットです。
前回の記事でやったのと同じ要領で、「D」刻印が入っている配線をカットしました。


次に本体マイクです。
無線機関係は完全に素人の私ですが、これだけシンプルならマイクに繋がっている配線も一発で分かりました。
フロントパネル裏側から見て左上にある丸型のデバイスがマイクですね。


ここに繋がっている青白2本の線をニッパーでカットしました。
これで本体側の「耳」も潰せたはずです。

これでめでたく「耳無し148」になったはずで、VOXをONにしてどんなに大声で話しかけても勝手に電波を発射する事は無くなったはずです。
前回の記事でも書きましたが、現状私の個体はそもそも電源ONに出来ませんので、この加工でもまだ不十分であったとしても法的には問題無いと言い切れます。
電源を入れる為にはしっかりと事前にチェックが必要ですね。

他にもまだ必要な処理があるかもしれませんので、もう少し無線周りの知識を付けあらゆる可能性を考察し、絶対に大丈夫と自信が持てた日が来たら電源を復旧しようと思います。
本当は電波発信の源である水晶振動子を外せば大丈夫なのかもしれませんが、勉強不足でどれがそのデバイスなのか?また外しても受信機能に影響が無いのか?等が分かりませんので実施できていません。

SNS等でPTTスイッチだけ殺して電源を入れてしまっている投稿をいくつか見かけましたが、VOX機能が使える状態だと依然として違法性があると判断される可能性が高いと思いますので、投稿は消すなり修正しておいた方が無難かと思われます。
それで警察に捕まるという事はまず無いかと思いますが、ただでさえ肩身の狭いこの業界ですので、余計な波風は立てないに越したことはないと思います。
ミリだけでなく、アマチュア無線関係の方々にも迷惑が掛かってしまいますしね。

今の世の中、簡単に様々な情報を手に入れられる事ができるようになりました。
無限に転がっている情報を精査したり複数の情報を繋げたりして、情報を「知識」に昇華させるセンスやノウハウがより一層大切になってきていると感じます。
今回もこの148を入手した事をきっかけに色んな情報に触れ、私の中で新しい知識が育ちました。
新しい知識が既存の私の中の知識と有機的に結び付きさらに高度な知識を生んでいく、この快感がたまりませんね。
昔は学校で勉強させられるのが大嫌いでしたが、自主的に勉強するのって本当に楽しいですね。
子供の時からこういう考えを持てていれば、今頃もうちょいイケてる人生になっていたかもしれません。
少なくとも中国の片隅でゲヘゲヘ言いながら謎の無線機を弄り回す人生では無かったと思います(笑)
自分の子らには「勉強する楽しさ」というものを上手く教え込みたいと思います。
これからも色んな事に興味を持ち続けて勉強して、いろんなムダ知識を養っていこうと思います。

お読みいただきありがとうございました。  


2021年10月17日 Posted by 4039  at 00:35Comments(0)装備無線機

TCA PRC-148可動レプリカ



日本国内のオークションサイト等でもTRI製やFCS製と共に時たま見かけますが、ふとこちらのECサイトを眺めていたら、TCA製のPRC-148が手ごろな価格で出回っていたので手に入れてみました。


日本の相場の半額以下で手に入りました。
TRI製は10年近く前から、TRIから独立した?社名を変えただけ?のTCAも4、5年前には既に発売していた認識ですが、色々とデリケートな事情がある製品だからなのか、持っている人が少ないからなのか、日本のブログやSNSで詳細を目にする事が非常に少ないので、今回少し細かくレビュー&考察しておこうと思います。

私は永らくスパルタンエアソフト製の148ダミーを実コネ特小加工した物を使用しています。


数ある148ダミーの中でもスパルタン製が至高の質感と言われていますが(今はどうなのか?追っていないので分かりませんが)、今回のTCA PRC-148はまさに「次元が違う」レベルです。






正面、側面のキーやコネクタ類は全てライブで、今までモールドでしか見たことがなかった身には感動ものです。
当然天板もアルミ製で、長いアンテナを取り付けて負荷が掛かっても基部がもげる心配は皆無です。


ボリュームスイッチは可動するレプリカは多いですが、真ん中のダイアルもちゃんとクリクリ回ります。


バッテリーの固定ノッチも実物と同じ構造、操作でバッテリーを脱着します。


上半身(本体)がアルミ、下半身(バッテリー部)がプラという構成で、このハイブリット材質構成を再現しているダミーは未だに存在していない認識です。


無論ネジも本物で、外せば筐体を分解可能です。
アルミ部分はアルマイト処理で、実物も同様にアルマイト(のはず)なので、非常に好印象です。
光沢アルマイトのヌメっとした独特な手触りと艶感は、塗装やその他の表面処理では出せない質感ですよね。


152は実物見たことがないので推測ですが、アルミ筐体に塗装だと思います。
塗装であればアルミの上だろうとプラの上だろうと質感にほぼ差は出ませんが、アルマイトとなると素材が活きてきますね。

どこかで聞いた噂では、実物のバッテリーケースがそのまま装着できるようです。
日本の家に実物バッテリーケースがあるので、帰国したら試してみようと思います。
画像で見る限り取り付け部の構造は実物準拠のようです。


この操作で遊べるだけでもご飯3杯分ってやつですね。
ちなみに付属のバッテリーケースは中にリチウムイオン電池(18650)を4本入れて使用ます。


ボックスは実物に比べて肉厚が無いのか軟らかい樹脂なのか、ちょっと軽薄な感触ですが、まあ及第点な質感です。
何より実物が換装出来るなら何も問題無しですね。
実物バッテリーケースは日本国内で3000円程度でゴロゴロしてますしね。
蓋にはちゃんとパッキンが入っていて好感が持てます。
一応仕様上はIPX6らしいです。

説明書によると駆動電圧は7.4Vで、18650は1本3.7Vなので、2本×2本の並列回路のようです。
実物は12.8Vのようなので、実物バッテリーは装着できても通電はやめておいた方がよさそうですね。。
充電は実物と同じような付属のアダプターを使って行います。




いちいち蓋を開けて中身の18650を直接充電する手間が省ける上、雰囲気があっていいですね。

実物をこの目で見たことが無いので正確な比較はできませんが、ステッカー類は一部「TCA」等のロゴが入っていますがいい感じで雰囲気があります。




足りない部分は他メーカーのステッカーで補おうと思います。

しっかりとしたハードケースに入っているのも何か特別感というか、個人的には点数高いです。


ペリカンケースを模しているっぽいですが、バルブ部分はモールドでパッキンも無く、気密性は無いただの箱のようです。
質素なボール紙のパッケージにすれば1000円くらい安くできそうですが、個人的にはこっちの方が嬉しいです。

後述しますが、ただのFMラジオだとしてもこの外装なら、ある程度の装備フリークの方ならお金を出す価値は十分あるなと思いました。
ポーチに入った状態で数m離れれば他社のプラ製ダミーと見分け付きませんし、おまけに重いので完全に自己満アイテムではありますが(笑)
ちなみに重量は上半身が450グラムで、バッテリーボックスが電池込みで330gでした(中の18650で前後しますが)。
合わせて780gですね。
実物はwikiによると約870gとありましたので、これが標準バッテリー込みの重量であれば約90グラム差です。
まあリアルな重量感と言えるのではないでしょうか。
バッテリーボックス内部には空きスペースがあるので、90グラム分の錘を入れれば簡単にリアルウェイトにできます。

バッテリーボックスを実物に換えて、本体は壁とかにガリゴリぶつけていい感じにアルマイトを剥がせばマテリアルの真価を発揮できそうですね。
プラ製では戦車模型やガンプラのように塗装で再現するしかないですからね。
まあ塗装でもリアルな見た目に出来ますので、これも「本当にアルミが剥げてるんだぜ!」というニッチな自己満ですね(笑)

現状国内ではレアなアイテムなので、装備好きの方が集まった時のネタとしては威力抜群だと思います。
PCR-148/152周りは装備好きの方であればほぼ通る道のはずですからね。

外装だけでも十分お腹一杯ですが、本製品の最大の魅力であり同時に最大の問題点として、実物通り電源が入って無線機として稼働します。
結構しっかりした内容の操作説明書も付いてきます。


動くのはもちろん嬉しいのですが、日本では特定の電波以外は無免許で無許可の無線機から電波を発射したら違法になってしまいます。
この148で発射しても勿論アウトです。
そのままの状態で電源入れて持っていても法的にはアウトと取られる可能性が高いです。
電池抜いてあればセーフ(?)というのが一般的な解釈のようです(個人的にはそれではちょっと不安ですが)。
価格もあると思いますが、この法的に厄介な部分が日本であまり出回らない最も大きい理由だと思います。

こちらの国の法律は詳しくないですが、どの国でも怪しい無線機から勝手に電波を発射したら基本アウトだと思いますので、手に入れて即、電源を入れる前に下記を施しました。
1.本体側面のPTTスイッチを断線させた
2.6ピンコネクタ部のPTT線を断線し、外付けPTTでの操作を不能にした
3.本体とバッテリーケースの接点を不通にした

1.2.を施すことで、PTT=電波発射スイッチが無効になりますので、UI上で何をどう操作しても電波を発射させる事はできないはずです。
加えて3.を施したので、そもそもバッテリーを繋いでも電源が入りません。
中国の電波周りの法律はほぼ知らない上、何かあると大変面倒なので安全をみて電源自体入らないようにしておきました。

日本国内であれば、1.と2.までやればまず完全に違法性は無いと認識しています。
(万全を期すなら、電波を発射する為のデバイスを取り外すべきだと思います)
総務省は「アマチュア無線機を使用するには.無線従事者の免許と無線局の免許が必要です。免許の無い方が受信のみを目的としてアマチュア無線機を使用する場合は、無線機から容易に電波が発射できないように処置してください」と言及しています。
引用元:https://www.soumu.go.jp/soutsu/kanto/re/syuchi/musenkishiyouminasama.pdf

ただ、「容易に電波が発射出来ない処置」とは具体的にどのようなものなのか?はどこを見ても言及がありません。
他の省庁関係のHPでも明確に「これならOK、これではNG」という説明はありません。
敢えて濁しているのだとは思いますが、同じ処置だとしても状況によって違法性の有無を判断する為の「余白」としているのでしょう。

上記処置を実行する為に、届いて10分もしない内に裏蓋のネジを回し始めました。
開けるとこんな感じでした。


裏蓋側にも基盤が固定されていて、本体側へいくつか線がコネクタで繋がっており、ほぼ全てのコネクタを外さないと完全に開けられませんでした。
ちなみに裏蓋にもバッテリー同様、ちゃんとパッキンが入っています。


仕様通りIPX6の実力があれば、サバゲ中にゲリラ豪雨に降られたくらいでは浸水して壊れる事は無さそうです。
蓋は接着されているという噂も聞いていたので、普通に開けられて良かったです。
裏側は部分的にアルマイトで黒く染色されていません。
アルマイト皮膜は通電しませんので、通電性を確保する為に剥離してあるのだと思います。
静電気対策の関係?でしょうか。
工程が増えて歩留まりも結構下がると思うので、「ガワだけではなくてちゃんと動く機械としてモノづくりしてるんだな」という好感を持てました。
切削痕は見当たらず、平面部がほんの少し波打っていてエッジもキンキンに立ってないので、オール削り出しではなさそうですね。
ダイキャストで大方の形を出し、ネジ穴やボタン穴は切削、防水面や嵌合部など寸法公差が厳しい所は一部切削で出しているのだと思われます。
ネットを探してみたらTCA製と思われるアルマイト前の筐体の写真を見つけました。


正面の画面及びキー部の凹部や裏蓋の基盤が載る面は切削痕がありますので、少なくともこの部分は切削で出しているようですね。
ネジ穴、及びその周りのテーパーはボール盤で加工していると思います。
まあこの大きさの箱型形状を削り出しなんて、それなりの数量産される工業製品では非常に非効率でやらないはずなので、実物も同じくダイキャストだと想像しています。
この業界は(車とかもそうですかね?)何でもかんでも「削り出し」をありがたがる風潮がありがちですが、鍛造、鋳造、射出成型等、作る物によって最も合理的な手法で作られている事こそが「スマートで美しい」と私は思います。
今回のような実物の存在するレプリカやトイガンであれば、実物同様の材質、工法で作られているのが至高だと私は思います。

話が脱線しましたが、1.の処置を進めます。
私はこういう電気工作周りは全くの素人ですが、側面PTTスイッチは裏側から伸びている線が1本だけでしたので単純明快です。
引っこ抜く前の写真を撮り忘れましたが、この線を引っこ抜けば本体PTTは機能しなくなるはずです。


写真の側面のコネクタ部の裏側にPTTスイッチがあります。
線はコネクタで結合されていたのでまた挿し直せば復旧できますが、その為にはネジを回して裏蓋を空けて、ピンセット等を使ってコネクタを挿さないといけませんので、電源が入ったとしても総務省が述べている「無線機から容易に電波が発射できないような処置」にはなっていると思います。
まあ私の個体はそもそも電源が通電しないので挿さっていたとしても問題無いですが。

次に2.の処置です。
天面の6ピンコネクタから外付けのPTTを接続しても作動不能にします。
コネクタの裏側を見ると、ニョキニョキと6本の線が生えています。


コネクタは実物ヘッドセットが使える仕様なので、実物と同規格だと考えました。


写真だと見づらいですが、コネクタ底部にはA~Fまで刻印が入っています。
U283等の6ピンコネクタは、それぞれ下記の役割を担っているそうです。


何故かオランダ軍のRT-3600という無線機だけはBとDが反転しているようですが。
まあ6本全部ぶった切ってしまえば確実にPTT含め全機能を殺せますが、スピーカーは残しておきたいので今回はとりあえず「C」の配線だけ切りました。
これでPTT付のスピーカーマイクを繋げてスイッチを押しても送信はできず(=電波は発射できず)、受信した音声は聞こえてくるはずです。
ただ、本当に思い通りの状態になっているかは現時点で不明ですので、もし通電させるならしっかり事前にチェックしないといけませんね。
繰り返しになりますが、今回はそもそも電源が入らないようにしているので、もしこの処置が効果を発揮していなかったとしても問題無しです。

3.に関しては作業に集中していて写真撮り忘れましたが、本体底部のある電源との接続部を一部断線させました。

あとはバッテリーボックスの18650電池は抜いておけば、流石に「すぐに電波を発射出来る状態の無線機を保持している」とはならないでしょう。
中身を開ける自信がない場合は、本体外側底部の電極を接着剤等で完全に埋めてしまえば、ほぼ破壊に近い状態で電源入れられなくなるのでそれだけでもOKだと思います。
簡単に手で剥がせる絶縁テープを貼ったくらいだと、総務省の言う「無線機から容易に電波が発射できないような処置」にはなっていないかもしれませんので注意ですね。
(「接着剤で埋めれば良いけど、絶縁テープ貼るだけじゃダメじゃね?」というのも完全に私の主観ですので悪しからず。)
総務省に電話して聞けばケース毎にOK NG判断してくれるんですかね?日本に帰ったら電話してみようと思います。

ただ、1~3をやっても、復旧に必要な工具や手順書を無線機の傍らに置いていたりして「いつでもすぐに復旧して違法な電波を発射しちゃうぞ」的な意図を感じさせたら違法性を問われる可能性もありそうですね。
この曖昧さがある限り、ほんのわずかでも個人でリスクを負うのを避けたい場合は中途半端な処置はおススメしません。
電波は目に見えないし臭いもないので、万一気付かないで発射してしまっても「そんなつもりないし、知らなかった」では済まされないですからね。
100%大丈夫にしたいのであれば、基盤抜いて完全に破壊してドンガラにしてしまえばOKですね。

3.は比較的楽に復旧出来るような細工にしたので、日本に持ち帰って電源入れても大丈夫な確信が持てたら、3.に関しては復旧してみたいなと思います。
電波発射機能を殺しても特小無線の電波は受信可能&無加工で実物ヘッドセット対応なので、サバゲで実物ヘッドセットで無線を聞くだけの運用ならできるはずです。
自分から発信出来ないのは片手落ちですが、過去ギアフェス等のイベントゲームではHQからの無線連絡を聞けるだけで十分だった場合もありましたので、聞く専用でも使い道なくはないかなと思います。
148本体の操作で電源入れて、プリセットしておいた特小のチャンネルに合わせて、実物ヘッドセットから音声を受信する、というのは既存の特小加工ダミーでは出来ない事ですので、現状このラジオだけの唯一無二の楽しい体験になりそうですね。

あと考えられる用途としては、FM電波を受信してラジオ聞くくらいでしょうか(笑)
ネタアイテムとして、サバゲ場のセーフティやキャンプでテーブルに置いてラジオ流したら趣きがあるかもですね。
アンテナも飾りではなく本当に機能するので、長いアンテナ付ける意味を見出せそうです(アンテナが特小やFMラジオの周波数を拾うのか?はよく分かりませんが)。
ただ電波発射不能に加工しても外観では分かりませんので、不特定多数の人が集まるサバゲ場では「違法な無線機を持ち込んで作動させている」と誤解され、あらぬトラブルを招きかねませんが。。

ちなみに電源を入れるとこんな感じのようです(私の個体ではなく、ネットから画像を引っ張ってきました)


せっかく入手したので色々ポチポチいじってみたかったのですが、万が一にも法を犯すわけにはいきませんので、涙を飲んで電源入れずに断線しました。

いっそのこと内蔵は全部取り出して、プラ製ダミーと同じようにがらんどうにして特小無線機仕込んでもいいかもしれません。
液晶窓があってボタンが押せるので、うまく裏側に特小無線機を配置できれば、外からいちいち裏蓋を開けずに表からボタン操作で直接中の特小無線機を操作できるように出来るかもしれません。
日本ではないですが、別の無線機を上手くPRC-148ダミーの筐体に仕込んで表から操作できる改造事例もありました。

https://www.youtube.com/watch?v=1-27ltLQkUo

日本で調達すると3~4万円はくだらないので、がらんどうにするのは勇気がいるかもしれませんが、一通り装備が揃っている方には「最後の仕上げ」として拘るには相応しいアイテムだと思います。
特に「DCUと56式弾帯着ればとりあえず再現OK」な初期アフODA装備のような、極シンプルなセットアップ時にこのような拘りアイテムをあしらうと一味も二味も違ってくると思います。
実物のがらんどうを購入するよりははるかに気軽ですしね。
完全コスプレアイテムとして、どこかのメーカーがこの外装構成で1万円くらいでがらんどうバージョンを出してくれれば助かるんですけどね。
結構な拘りがなければダミーラジオなんて2000円以下のプラ製で十分で、世の中的に需要がないんでしょうね。
こんな駄文をここまでちゃんと読んでくださっている方は、多分「この外装で1万ならドンガラでも全然買うわ!」と思う方だとお見受けしますが、おそらく超少数派だという事をご自覚ください(笑)
もちろん私もその少数派の一員なのは間違いないです(笑)

今回入手に当たって無線愛好家の方々のSNS等を調べましたが、無線機としてはTCA(TRI)の148/152は所謂「変わり種」扱いで、興味本位で手に入れる方はいるものの、まともに研究はされていないようです(中身がブラックボックスという事情もあるようですが)。
かといって(日本の)ミリオタに対しては価格と電波法の絡みで「欲しいは欲しいけど、ちょっとね...」と二の足を踏まれ、なんとも中途半端なアイテムになってしまっている印象です。
外装に余計なコストが掛かっているのは確実ですので、日本目線で見る限りはミリオタ向けに振り切った方が(がらんどうダミーや、操作できるけど無線機能無し等の仕様)売れると思うのですが、他の国では今の仕様でウケていたりするんですかね?
もしかしたら中東の紛争地等ではリアルに戦争で使われてるかもしれませんね。。
素人なので全然分かりませんが、仕様書の通りであれば結構高性能のようで、現役の軍用ヘッドセットがそのまま使えるので。

いっその事アマチュア無線の免許を取得して無線機を認証して、合法的に所持してみようかと少し調べてみましたが、かなりハードルが高そうです。
アマチュア無線免許自体は超簡単に取れそうですが、肝心の無線機の認証が壁になりそうです。
発射できる電波の強度(周波数も?)を認証できる範囲に限らせる為には、PCに繋いで然るべき制御ソフトを用いてROMを書き換えなければいけないようです。
こちらのECサイトでPCと繋ぐコネクタを売っているのは見かけましたが、完全素人の私では全く出来る気がしませんのでスルーしました。




日本でも認証されたと思われる(=技適マークが貼付されている)TCA製152の写真は見たことがありますので、不可能ではないのかもしれませんが、それなりの知識と手間が掛かる事は間違いないと思います。

メーカー側が諸々認証を通せば、日本で特小無線機として実働PRC-148/152レプの発売は理論上は可能だと思いますが、色々と手間を掛けて作ったところで一体何個売れるんでしょうね?
いくらリアルとは言え、4万円前後したら一定以上の境地に達した重度ミリオタしか買わないと思いますので、4~500個売れれば御の字でしょうか?
ソフトや一部ハードウエアの換装だけで対応できるのであれば開発コストはほぼ掛からなさそうですが、認証周りを日本の代理店や有志のファンがフォローした上で、TCA社が旨味を感じてくれれば実現する可能性は無くもないのかな?と個人的には思います。
完全受注生産にすれば、メーカー側の在庫リスクはなさそうですしね(販売店のリスクは残りますが、数個程度なら大抵のお店は大丈夫なんじゃないかと思います)。
いずれにしても、常時全国どこのショップでも買えるような状況は生まれ難いと思いますので、認証済実動PRC発売に希望をお持ちの方は常にアンテナを張って、いつでも入手できる状態でチャンスを待ち構えておくべきだと思います。
もしこれがメジャーな趣味で何万個、何十万個売れる確証があればとっくに出ているんでしょうが、こういうときにニッチ趣味の窮屈さを感じますね(苦笑)

今回入手して実際に触ってみた個人的な結論としては、TRI、TCA製のPRC-148はたとえ不動品であっても、現状流通しているプラ製ダミーでは決して味わえない満足度を提供してくれる逸品だと感じました。
個人的な感覚で言えば、「不動品で2万円以下なら買い」といったところです。
稼働品は電波発射不可能に加工し、上述したようなリスクを容認できるのであれば手を出しても良いと思います。

個人的には現状の不動品でも満足で、さらにサバゲで実ヘッドセットで受信専用&雰囲気のあるFMラジオとして使えるようになれば御の字です。
長ーいブレードアンテナ付けてぶん回したり、がっつりテンションかけてプレキャリ等にアンテナを固定しても基部がへし折れる心配のない148ダミーが欲しい、という方にもかなりおススメです。
ダミラジのアンテナ基部折れは対策が難しく、多くの装備ファンが抱える共通の悩みだと思いますので(苦笑)

気付いた事をとにかく書き込みましたので煩雑な内容になってしまいましたが、少しでもこの記事が入手を検討されている方のお役に立てば幸いです。
お読みいただきありがとうございました。

2021/10/15追記
説明書を読み解いていると、この148にはVOX機能なるものが搭載されている事が分かりました。
このVOX機能も不能にしないと、依然として電源を入れれば簡単な操作で即電波を発射出来てしまいます。
別記事で改めて詳細書こうと思います。

  


2021年10月12日 Posted by 4039  at 18:34Comments(0)装備無線機

旧メカニクスグローブ2種入手(M-PACT&ORIGINAL PLUS)



先日、「スペースウォーカー」という映画を観ました。


2017年製作のロシア映画で、1965年に人類初の宇宙遊泳を達成した実話を基にした物語です。








日本ではビデオスルーなので知名度が低い作品ですが、良く出来た大作映画でした。
強烈に印象に残るような真新しい演出や映像表現はなく既視感の強い演出や展開ばかりですが、1場面1場面丁寧に作られている感じが出ていて好印象でした。
良い意味で「ハリウッド的な味付け」で、ハリウッド映画に慣れた体でもすんなり楽しむ事ができました。
一言で言えば、ロシア(ソ連)版の「アポロ13」といったところでしょうか。

T-34 レジェンド・オブ・ウォーもそうですが、最近のロシア映画は中々の良作が多いと思います。
(私が知らないだけで昔からあるのかもしれませんが)


では、本題に入ります。
実物と思われる旧型メカニクスグローブのデッドストック品を2つ手に入れました。




価格はプレミアが付くことは無く、逆に型落ち品として合わせて2000円以下という激安価格でした。
後ほど詳細見ていきますが、今回の個体は2つとも本物だと思います。
一つには盗難防止用のインクタグまで付いた状態でした。


まず一つ目ですが、M-PACTのカモフラバージョンです。




メカニクスのグローブは基本的に製品に製造年や発売年が分かる記載が無いので、パッケージ付きはとてもありがたいです。




パッケージにしっかりと2006年という表示を見つけました。


これでこの仕様は2006年には存在した事がはっきりしました。
ちなみにネットで2006年以前の情報を調べてもM-PACTという単語は見つからなかったので、2006年のこの仕様が初代M-PACTなのかもしれません。

手首部はオリジナルの同年代と同じ形式です。




2006年付近仕様のオリジナル




オリジナルに対し手の甲には樹脂が貼り付けられ、掌は生地が補強されており、いかにも耐久力が高そうな作りです。
が、古いモデルは手の甲の樹脂を貼り付けている接着剤が劣化し剥がれている個体をよく見かけます。
詳しくは後述しますが、M-PACTとほぼ同型のIMPACT PROですが、私の盟友Bucket Head氏の個体も見事に剥がれていました。


このグローブは高温多湿の所に保管するのは絶対NGですね。。
グローブは使うとすぐにボロボロになってしまうので、貧乏性の身には新品だと使うのに躊躇してしまいます。
このまま乾燥剤と一緒に完全新品の状態で密閉保管しておけば、数年後には数万円で売れるかもという誘惑に駆られます(苦笑)
まあ転売して金儲けする為にこの趣味をやっている訳ではないので、お得な買い物に感謝しつつ2000年代中期ODA装備で使い倒したいと思います。

ちなみにM-PACTも何度か仕様変更が入っています。
いい機会なので少し調べてみました。
ネットで検索を掛けると、ありがたいことに我らがWARRIORSさんのブログで変遷を追う事ができました。

2009年4月マイナーチェンジ記事
https://warriors.militaryblog.jp/e63646.html


2012年7月記事
https://warriors.militaryblog.jp/e349481.html


2015年マイナーチェンジ記事
https://warriors.militaryblog.jp/e669502.html


2018年モデルチェンジ記事
https://warriors.militaryblog.jp/e949034.html


他のソースもちょこちょこ調べてみましたが、上記の内容と符合しましたので、おそらくこの変遷で間違いないと思います。
2009年仕様がどこで切り替わったかは、仕様変更案内記事が無かったので明確な時期は不明ですが、2012年7月に新仕様の新柄発売アナウンスの記事がありましたので、この辺りだと思われます。
他のソースでも4月頃には新仕様に変わっているので、2012年の春頃には切り替わった可能性が高いです。

オリジナルでもやっている、普通では気づかないような細かい仕様変更は毎年のように入っている可能性はありますが。
WARRIORSさんの2018年の記事の仕様と、現在のメカニクス公式サイトのM-PACTの仕様は同じ物に見えるので、まだ新仕様にはなっていないようです。
現物を手にして比較したわけでは無いので、細かい所が変わっている可能性は大いにありますが。

まとめると、今回私が入手したモデルが初代で2006年発売だと仮定すると、M-PACTには少なくとも大まかに2006、2009、2012、2015、2018モデルが存在するようです。

このほかにもM-PACT2やM-PACT3があるので、オリジナルと同じく非常にややこしいモデル展開で色数も膨大で、コレクター泣かせなグローブですね(苦笑)
さらに先ほど少し触れましたが、このM-PACTにそっくりな外観のIMPACT PROというモデルも存在します。






手の甲の樹脂パーツは文字以外全く同じに見えます。
第一印象は全く同じグローブなので、めちゃくちゃややこしいですね。
解像度の悪いミリフォトでは判別激ムズだと思われます(展開しているカラーリングが判別の鍵になりそうですね)。

よく見ればIMPACT PROの方は指先に更に樹脂パーツが付いてるのと、手の甲全体の生地が違います。
掌側も当て革の配置が微妙に違いますが、大きく性能が変わりそうな感じはありません。
一応手の甲の生地の違いはそれなりに機能性が違いそうですが、立ち位置的にはほぼ同じモデルと言えるのではないでしょうか。
なので、もしかしたらCASIOのPRO TREKとPATHFINDERのように、同等モデルを地域毎に分けて展開していた可能性もあるかもですね。
だとすると、使用例をろくに見つけずに年代だけの判断で装備に取り込むと痛い目をみそうですね...。

この仕様のIMPACT PROも持っているのですが、今手元に無く詳細比較考察ができません。
両者が手元にある時に再度比較考察したいと思います。

ちなみに、IMPACT PROも2008年に大規模な仕様変更があり、これまたM-PACTと似たような樹脂パーツに変更されています。


これもWARRIORSさんが過去記事にされていました。
https://warriors.militaryblog.jp/e40734.html

こういう情報をネットの海に残してくれている事は本当に素晴らしいですね。

さらに同じ仕様と思われるコヨーテカラーも、別の店で格安(1000円以下!)だったので手を出してみました。


絶対本物だと思っていたのですが、現物が届いて触ったところこれはちょっとアヤシイ代物でした。
詳細考察を書くと非常に長くなるので、次回記事にまとめようと思います。

上記カモフラのM-PACTのお店で、同時にちょっと珍しいメカニクスグローブも手に入れました。
ORIGINAL PLUSというモデルです。










初見ですし、ミリフォトでも見た覚えはないですが、激安だったのと多分旧い仕様だと思ったので調達しました。
これもデッドストック品で、パッケージには2007という表記がありました。
何がPLUSなのかよく分かりませんが、生地の構成が複雑だったり指に滑り止めが付いていたりして、確かにノーマルよりは豪華になっています。




年代的には個人的にオイシイアイテムですし、あまり希少価値は無さそうなので上記のM-PACTより気兼ねなく使い倒せそうです(笑)
赤の挿し色もUCPのACUに合いそうですし、中々いい買い物をしました。

メカニクスのグローブは安価で大量に発売されていると思われるので、このようなデッドストック品がまだまだ世界中に埋もれているのかもしれませんね。
グローブ全般に言えますが、他の装備品と比べて消耗が激しいので、多く持っておいて損は無いと思います。
ローテーションで使えば毎回違う気分で遊べて、綺麗な状態で永く手元に置いておけますからね。

旧い年代の物も安く手に入るという理由だけで、何気なく集め始めたメカニクスグローブですが、ついにORIGINAL縛りから逸し深い沼にハマりつつあります(苦笑)
ORIGINAL含め、まだまだ解明できていない事だらけなので、今後も少しずつMechanixについて考察を深めていこうと思います。

お読みいただきありがとうございました。  


2021年06月29日 Posted by 4039  at 23:10Comments(0)装備グローブ

ニセニクス



先日、大学時代の友人の結婚式にオンライン参列しました。
本来は昨年開催予定だったのですが1年延期し、未だ収束はしていませんが感染対策をした上での開催となりました。

式場側もこの1年でインフラとノウハウを構築したようで、オンライン参列者も新郎新婦はじめ会場の方々としっかり絡める仕掛けが多数あり、予想外に楽しめました。
実際にオンライン参列してみて、コロナ後も健康的、物理的にリアル参列が難しい人向けにオンライン参列が一般的になってくるかもと思いました。

今回悩んだのは、まだ「オンライン参列の常識」が確立されていない故、服装やご祝儀をどうするかでした。
私はとりあえず襟付きのシャツ(下は寝巻き笑)で参加しましたが、男性はスーツにネクタイ、女性はドレスを着て髪もしっかりセットされている方が8割方でした。
思いっきり生活感のある部屋で正装されている映像は結構シュールでした(笑)
ご祝儀は気を遣われない程度にリアル参列よりは金額を減らして渡すべきと思いましたが、無機質にオンラインで送金するのもなんだかなあと思い、次リアルに会った時にちゃんと祝儀袋に入れて手渡ししようかなと思っています。
このあたりは今後一般的になってきたら、徐々に「常識」が形成されていくんでしょうかね。

コロナ渦になっていなかったらオンライン形式は存在せず完全に不参加になっていたと思うので、まさに不幸中の幸いでした。
悪い事ばかりの昨今ですが、ささやかでもプラスの面に目を向けていきたいですね。
いずれにせよ、なかなか貴重な経験をさせてくれた友人には感謝です。

では、本題に入ります。
以前の記事で、Mechanixオリジナルのコピー品を「ニセニクス」と称し紹介しました。


前回の物は一目でニセニクス判定出来ましたが、今回、より精巧なニセニクスを入手したので記事にしておきます。

ここは言わずと知れたコピー大国、もしかしたらと思い通販サイトで検索してみると、わんさか出てきました。


試しにどんなもんだと入手してみました。


価格はなんと送料無料で400円程度です(笑)
本物のオリジナルはこちらでも日本の相場と同じくらいで4000円前後しますので、約10分の1ですね。

届いたパッケージは写真撮り忘れましたが、ただの透明なチャック袋に入っていただけでした。
怪しさ満点ですね(笑)
手首の樹脂タグを見る限り、09年あたりに登場した仕様を模しているようですね。

(記憶が曖昧ですが本物は「THE ORIGINAL」の横に白文字で「TM」は入っていなかったような?気がします。)

他のコピー品と思われる数百円レベルの商品も全てこの09年仕様しか存在しませんでした。
なぜこの仕様を選んだのかは不明です。
自然に考えれば当時最新の仕様をコピーしたと思うので、もう10年前後この仕様で作られ続けているのかもしれませんね。
仕様の変遷については以前何度かに渡って詳細考察しています。
Mechanix ORIGINALマイナーチェンジ変遷まとめ
Mechanixグローブ 追加考察など

パッと見は、本物を触った事がある人でも本物にしか見えないと思います。
よく見ると明らかにおかしいポイントは手の甲の「Mechanix」のロゴ印刷です。




全体的に縁が滲んでおり、®にいたっては完全に穴が埋まっています。
また、上の列の小さい「GLOVES」と下の列の「Mechanix」が被ってしまっている箇所もあります。
これは実物ではありえない外観不良だと思います。
この印刷はかなりノウハウが詰まっており、簡単には真似できないのかもしれないですね。

実物


内側のタグはちゃんと再現しています。


タグに関しては文言は本物をそのままコピーして、そこいらの汎用印刷機で簡単に精巧に出来てしまうと思います。
私のようにMechanixオリジナルの年代考察をしている人間にとっては非常にいい迷惑です。
仮にネットでこの画像だけアップで見つけても、真贋判定は不可能ですからね。。

この仕様の実物を触った事が無いのでなんとも言えませんが、手首のマジックテープ部の造りが粗い気がします。


本物自体もそこまで褒められたものではないですが、部分的に縫製がかなり雑で、末端処理が甘く糸が飛び出ている箇所もいくつかありました。

ただ、着け心地自体は本家と遜色なしです。
耐久性は不明ですが、材質も本家とほぼ変わらないように思います(本家も決して高級な生地では無いと思いますしね)。
指横のベンチレーション穴もご丁寧に空けられています。


仕様年代を考えると可能性は低いですが、本物の工場で品質検査で弾かれた不良品を横流ししたか、廃棄された不良品を回収して売りさばいている可能性もあるかもしれませんね。
一時期大量に横流しして、その在庫がまだ市場に残っている的な。
味は問題無くても形のおかしい野菜や果物が弾かれるのと同じように、実用上は問題無くても外観が一定の基準を満たしていなければ破棄されるのはこのグローブでも同じ話のはずです。

普通はそういう不良品は悪用されないように破壊して破棄するのがどのメーカーも常識だと思いますが、関係者何人かがグルになって悪い事を考えれば、何とでもなってしまうでしょうからね。
無論真偽不明の私の想像でしかありませんが、少なくともちょっとそう思ってしまうくらい、今回入手したモノは完成度が高いと言えます。
少なくともサバゲ程度の使い方であれば十分機能するレベルだと思います。

我々装備好きにとって、所謂「レプリカ」とは切っても切れない縁がありますよね。
コピー品を実物と偽って売るのは完全に詐欺ですが、例え「レプリカ」と公言して売っていても、厳密に言えば黒なパターンが多いと思います。
ただ、それによって夢が叶う(実物はレア過ぎて手に入らない等)同志がいるのも事実ですので、複雑な気持ちではあります。
詭弁かもしれませんが、レプリカの存在でそのメーカーの知名度が上がる事も往々にしてあると思うので、決して害だけではないのが実際のところなのかもとも少し思います。
まあいくら言い訳をしても、自分の欲を満たす為にレプリカを買う事で、(法的に)ズルをしている人を儲けさせてしまっているという自覚は忘れてはいけないと思います。
今流行りの、悪質な転売商品に手を出すかどうか?にも感覚的には少し近い話かもしれませんね(転売行為は特に違法性は無いとは思いますが)。

ひと昔前に比べればだいぶ市民権を得てきた趣味だとは思いますが、「人殺しの真似事」だと不快に思う方が一定数は存在し、更にこういう後ろめたい事情もある界隈ですので、あまりメディア露出等で脚光を浴び過ぎないでほしいというのが個人的な気持ちです(苦笑)
うっすら日陰にいるからこそ見えない、見ようとされないから平和に過ごせている部分が多くあるはずですからね。

自分の趣味を誇りに思って世間に発信することは大賛成ですし、私自身もそうしていますが、他人からどう見られるか?は、どんな趣味であっても常に頭の片隅に置いておかなくてはいけないなと思います。
かといって最近よく聞く「誰も傷つけない〇〇」という枕詞のコンテンツもまた極端というか、人間ある程度毒気に晒されないと逆に生の悦びを感じられないんじゃないかとも思いますが。
ゼロイチで判断できない事ばかりのこの世の中、何事も「塩梅」「程度」「バランス」が殊の外大事だなと思う今日この頃です。

お読みいただきありがとうございました。  


2021年06月19日 Posted by 4039  at 12:19Comments(0)装備グローブ

ASOLO FSN95 旧タグ品



2月に日本に帰った際に、ebayで購入して実家に届けていたASOLO FSN95を現物確認できました。
FSN95は2足目です。
同じ靴を2足持っているのは皆さん結構「装備あるある」だと思いますがどうでしょう(笑)

FSN95相場としてはかなり安価に調達できました。
この靴はたまにびっくりするくらい安い値段で出品されますよね。
おそらくミリタリー的な価値を知らない方が「ただの古い靴」として出品しているのだと思います。
GARMINのハンディGPS Foretrex101等も同様の感じで恐ろしく安い値段で出る事が稀にあります。

コンディションは比較的良好で、多少ソール減りはあるものの一番心配なソール剥がれは無く、手で引っ張ったり履いて屈伸等する程度では大丈夫でした。
アッパーも大きなスレやほつれ等は無く綺麗めです。






ソール剥がれに関しては実際にサバゲレベルの負荷が掛かった時にどうなるかは分からず、まだ安心はできません。
今回大変安かったのもありますが、個人的にはそれよりも大事な購入動機がありました。
タグです。
FSN95には2種類タグは存在する認識です。
前回入手した個体のタグ(便宜上後期型と呼称します)




コンパスの絵が描いてあるタイプで、web等で検索すると基本このタグバージョンの画像しか出てきません。

今回入手した個体のタグ(前期型と呼称します)


ASOLOの文字はほぼ同じですが、方角の記号が書いてあり、下に「FUSION 95 GTX」というもう1枚の小タグが付いています。

今までの考察で、FSN95は2001年9月には存在している=初期アフ時から適合というのは認識していました。
過去記事:「ASOLO FSN95 GTX

この時点でもタグにバリエーションがあるのは認識していましたが、詳細についてはまだ考察していませんでした。
靴ひもやパンツの裾で隠れてほぼ見えないので、そこまで気にしていなかった為です。

今回幸運にも前期型タグ品を手に入れられたので、この機会にタグの切り替わった時期を少し調べてみました。
まずは以前確認したバックパッカー誌2001年4月号のFSN95の受賞記事の写真です。




見事に靴紐が被っておりほぼ見えませんが、かろうじて下部の黒い小タグが見えます。


この写真から、発売当初は今回入手した前期型タグデザインであったと思われます。
次に、2002年12月号に載っていた写真です。


これも大部分靴紐が被っていますが、前述の小タグ、および縁の形と模様から前期型と判断できます。
古い個体サンプルを撮ったり、以前撮った写真を使い回している可能性もありますが、2002年末頃はまだ後期型タグに切り替わっていなかった可能性が高そうです。

ネットを徘徊していると、スペイン語のとあるアウトドア用品掲示板に写真がありました。


2006年8月にアップされた画像です。
有難いことに靴紐が無く、明らかに後期型タグと判断できますね。
という事で、2006年夏には既に後期型タグに切り替わっていたと考えます。

今回はここまでで力尽きました。
今回の考察結果としては、タグデザインの切り替えは2002年末~2006年夏の間のどこか、といったところです。
なので、2000年代中頃までの装備を再現するには前期型タグの方が確実と思われます。
2000年代後半以降であれば後期型で何も問題はなさそうですね。
FSN95に関しては特にタグ新旧で相場は変わらないようなので、年代に拘るのであれば旧タグ品が出てくるのを待った方が良いかもしれませんね。
ソールの状態に関しては経った年数よりも保管状態の方が効いてきますし、ほぼすべての個体は遅かれ早かれリソールが必要になると思います。
それなりに金額は掛かりデザインも無視できないレベルで変わってしまいますが、ただモンベルに持ちこみさえすれば気軽にリソールできて実用性が復活できるのは大変ありがたいですよね。
性能そのものは特殊部隊お墨付きの事はあり素晴らしいので、ただのコスプレ用品として温存して靴箱で眠らせるより、いっそのことリソールしてバンバン履いてあげた方が結果として得かもしれませんね。

余談ですが、前回入手したFSN95のソールが少し剥がれが出たので、補修を試みました。
使用したのはボンドくつピタという商品です。


剥がれた部分を手でこじ開けながら隙間に塗り込み、貼り合わせて乾燥させます。
乾燥後は柔軟性のあるゴム状になり、可動部でも剥がれず追従していました。


FSN95の写真を撮り忘れてしまったので、上写真はこれまた年代物のトレッキングシューズである初代カメレオンです。


これも全体的に綺麗なのですが、ソールとアッパーの間を指で強く開くとメリっと剥がれたので、塗ってみました。

これで剥がれた部分から亀裂のように剥がれが進行する事は防げそうですが、おそらくソール内部の接着剤も劣化しているはずなので、外側だけ補強しても中から剥がれてしまう恐れはあります。
接着式ソールのトレッキングシューズは本当に厄介ですよね。
完全な状態を求めるならメーカーが復刻してくれるのを祈るしかありません。
(メレルはたまに復刻モデル出しているイメージありますし、初代カメレオンならデザイン的にも歴史的にもワンチャン復刻ありそうな気がするのですが。)
FSN95は絶版になったのかなっていないのかイマイチはっきりしませんが、もし再販されたとしても品薄でプレミア価格になりそうですね。

2000年代装備の靴周りは手堅くいくならば下手に接着式ソールシューズには手を出さず、安心安定のデザートブーツの良コンディション&ベストサイズ個体を探した方がいいかもしれませんね。


おしゃれは足元からではありませんが、靴はその装備への拘り度合いが如実に表れる箇所のひとつだと思っています。
今回書いたような劣化問題をクリアし、自分に合ったサイズで何種類もあるカラバリからお目当ての個体と巡り合うには根気と時間が必要です。
今後も靴周りはしっかり研究していきたいところです。

お読みいただきありがとうございました。  


2021年03月30日 Posted by 4039  at 21:11Comments(0)装備