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 Posted by ミリタリーブログ  at 

初期アフ小物コレクションまとめ①



すっかり更新がご無沙汰になってしまいました。
子供が大きくなってきたので、土日に家をほったらかしてサバゲに行きづらくなり、現状ミリタリー熱が下がっている時期なのと、余暇をほぼガンダムに捧げている(バトオペとガンプラ制作)為、ブログ更新が滞っていました。
さらに引っ越しもありバタバタしていましたが漸くひと段落ついたので、この機会に所有しているお気に入りアイテムの棚卸しを兼ねて記事にして記録しておこうと思います。
大物は存在感があるので常にどこに何があるか認識できていますが、小物はサバゲ前夜の準備中等の土壇場で「あれどこいった??」となりがちですよね。
そうならない為に小物の存在確認をしていこうと思います。
各アイテム、初期アフファンであればそれなりに役に立ちそうな情報を書いておきますので、よければ参考にしてください。
(あくまで私個人が認識している情報、知識ですので、その正確性や裏付けの確かさはまちまちですので悪しからずです)

まずは小物の王様?である腕時計をまとめていきます。
ミリタリーアイテムのみならず、実用品、ファッションアイテム、コレクターアイテム等の様々な側面を持つ腕時計はモノとして魅力的ですよね。
私はプラスチッキーで針のない安い時計が大好きなので、色々集めています。
その中でも初期アフ時期の装備でOKなものをコツコツ収集しています。

まずは代表格であるG-SHOCKの中の、米軍装備の代表格であるDW-6900V1です。


G-SHOCKとして有名なカタチですし、このモデルはミリタリー関係のショップ等でよく紹介されていますのでご存じの方も多いと思います。
1995年に発売され今でも生産が続いていますので、新品で入手できる貴重な90年代装備です。
注意点としては下記があります。
まずは海外モデルのみの展開なので国内正規品が存在しない事です。
日本の通販等で買えるものは全て並行輸入品なので定価が存在せず、お店によって価格がだいぶ違います。
また、保証体制も国内正規品とは異なるので注意が必要ですね。
まあ数千円で買えるものですしそうそう壊れるものではないので、そこまで気にする必要はないと思います。

次に、現行モデルは当時モデルとモジュールが異なる事です。
これは個人的には結構大事にしたい要素です。
G-SHOCK(カシオの腕時計全般ですが)には裏蓋にモジュール(中身の機械)の番号が4桁で表示されています。
DW-6900V1は発売当初はNo.1289でした。


その後、2010年か2011年頃に3230に変更されています。
仕様上の変更点はカレンダーが2039→2099年までに対応した事のみです。
もしかしたらLCDや中身の部品の調達先等は変わっているかもしれませんが、
商品としての仕様変更点はあくまで上記のものです。
ちなみに私はこの時計を通算3つ買っています(笑)
最初は何も知らなかったので現行品の中国生産3230モジュール品を調達しました。
その後、1289モジュールの存在を知り、韓国生産の1289品を調達しました。
またしばらくしてオークションサイトを徘徊していると、中国製の1289品を格安で見つけたので思わずポチってしまいました。
比べると1289と3230モジュール品はバックライトの輝度が見るからに異なります。


個体差なのか仕様が変わっているのかは不明です。
つらつらと書きましたが、1289と3230で見た目で変わるのは裏蓋の4桁の数字のみです。
しかも装着したら全く見えない部分ですので、拘らないのであれば現行品で全く問題ないと思います。
ですが同好の士が集まった際に、上記の知識と現物があるとひと盛り上がりするとは思います。
特にプレミア価格が付いている認識もないので(余程のG-SHOCKフリークくらいしか気にしないと思います)、未調達の方はどうせ調達するなら古い方がお得だと思いますので、是非検討してみてください。
そもそも売る側もモジュールが2種類ある事を把握していない場合が多く、モジュール番号部分の写真が無かったりするので聞くのが面倒だったりします(笑)

90年代登場で新品が手に入るG-SHOCKとして、1996年発売のDW-5600E-1もあります。


現在も生産が続いており、1万円でお釣りがくる値段でどこでも売っています。
調達にあたり一点、米軍装備をする上での注意点があります。
このモデルに限らず、G-SHOCK全般に言える事ですが、国内仕様と海外仕様は防水表記が異なります。
北米仕様はISO規格(多分)に則った「M」表記です。


米軍装備で使うのであれば当然M表記仕様が適していますね。
しかも並行輸入品の方が安い場合が多いです。
保証体制が悪い事が唯一の欠点と言えますが、まあ6900同様安いしそうそう壊れるものではないですからね。

DW-6900V1もEW-5600E-1も調達のハードルはかなり低く、しかも考証的に使い回しが効き、実用品としても使い出があって素晴らしいアイテムですが、その裏返しとしてコレクション性は低く、サバゲ会場や装備イベントでは被りまくる上に、装備に取り入れても知っている人が見たら「無難だね」としか思われない、可もなく不可もないアイテムだと思います。
オーパーツのG-SHOCKを着けるよりは1000倍マシですが、決してドヤ顔出来るアイテムではない事は認識いただければと思います。
まあオーパーツ回避だけなら、チープカシオのF91Wの方が安いし良いかもしれません。


F91Wなら2000円でお釣りが来ますので、1本持っておいて損は無いと思います。
ちなみに私はサウナ用の時計として使っており、もう数十回はサウナに入っていますが何一つ不具合起きていません。
サウナの中で「ピッピッ」と操作音が鳴るのは嫌なので、一度裏蓋開けてピエゾ素子との導通をカットしています。
裏蓋開けてセロテープ1枚貼るだけなので、サウナに限らず操作音をミュートしたい方にはおすすめの加工です。

ようやく1つ目のアイテム終了です。
全然終わる気しなくなってきましたが、とりあえず気が向くまま進めていこうと思います。
続けて初期アフなG-SHOCKを紹介しておきます。
DW-8700-1Vという機種です。


1996年発売のモデルです。
これに関しては年代はもちろん、2001年の5th SFG、つまりホース・ソルジャーと呼ばれる隊員の使用例を以前認知しました。



この写真を分析→現物入手するまでの流れは本当に楽しかったです。
注意点としては、このモデルは販売向け地によって20BARと200M表記品の両方がありますので、米軍装備として入手するのであれば200M表記品が無難だと思います。
調達にあたり、各種オークションサイト等で中古品は結構な数流れていますが、状態が良いのは少ない印象です。
特にウレタンの外装部品が崩壊している個体が多く見受けられます。
幸いバンドは生産が続いているモデルと共用のはずなので、デザインが同じ代替品新品入手可能ですが、ベゼルは割れるとどうしようもないです。
しかも悪いことに結構な薄肉部があり、G-SHOCKとしては耐久性は高くない部類だと思われます。
私が所有する個体は実用に耐えるレベルの物ですが、経年劣化が怖いので乾燥剤と一緒にチャック袋に入れて保管しています。
これに限らず、加水分解する貴重な樹脂アイテムは基本全て乾燥剤と一緒に暗所密閉保管しています。

次です。
カシオの初期アフ腕時計繋がりでPATHFINDERのPAG-40を紹介しておきます。


このモデルについては紆余曲折ありました。
最初にこのモデルを認識したのは伝説の初期アフドキュメンタリー番組である「Profiles From The Front Line」の映像です。
もし初期アフに興味がおありでこの番組が未見であれば、何はともあれまずはこの番組を何度も何度も見返す事をお勧めします。
初期アフ装備のヒントの宝の山です。
youtube等で簡単に見られるのも美点ですね。
私も過去10記事に渡り本番組の分析を行い、その後も事あるごとに見返しては新発見を重ねています。
過去記事「初期アフガンお宝映像集発見!

界隈で単に「初期アフ装備」と言われる場合、一般的に2001年内にアフガンで活躍した米軍特殊部隊、
2002~2003年に派遣された部隊、イラク開戦後のアフガン駐留部隊の3パターンのいずれかを指す場合が多い認識です。
この番組を見れば上記の三者の真ん中、2002~2003年の装備の含蓄が超深まる事請け合いです。
また、解像度の低いガッサガサなミリフォトからアイテム等を識別する能力もかなり養えます(笑)

話が脱線しましたが、この番組中に下記のシーンが出てきます。




この場面から、当時の私はPRO TREKのPRG-40だと判断しました。


発売年と全体の形状、6Hのボタン、液晶パターンが判別の決め手でした。
入手は簡単にできました。


当然既に廃盤ですが、結構な数作られていたようで今でも安価で入手可能です。
ですが、このモデルには大いなる落とし穴がありました。

PRO TREKは北米では展開しておらず、あちらではPATHFINDERというブランドが展開しています。
理由は一般的に使用される気圧、高度、温度の単位が異なる為です。
この為、液晶の表示やモジュールのプログラムの仕様が異なり、そっくりですが違う商品になります。
ガワで大きく違うのはブランドの刻印類です。




あとはG-SHOCK同様、防水表記もBARとMで違います。
PATHFINDERの存在を認識したのは上記PRG-40入手から何年かした後、2000年代初頭のアウトドア雑誌をむさぼり読んでいる時でした。


上記のようなPATHFINDERの広告を見つけ、もしやと思って調べていくとPRG-40もPAG-40という兄弟機種が存在する事を知りました。
アメリカ軍の装備であれば当然PAG-40を装着している方が自然ですよね。
大慌てでネットで探したところ、幸運にもe湾で状態の良い個体を発見し事なきを得ました。

上記有名番組での使用例があり、PATHFINDERのウンチクを含め2000年代装備としてはなかなか良いチョイスの時計だと私は思います。
普通に機能腕時計としても使えますし、バンドは現行生産モデルと共通なのでちぎれても安心な点も評価できます。

今回書いた内容に関しては下記リンクから各アイテム詳細記事をご覧になれますので、もしご興味を持たれましたら下記記事リンクを覗いてみてください。
https://lbzaku.militaryblog.jp/c56137.html

腕に巻くアイテムですらまだ残っておりますので、ひとまずここで切ろうと思います。
次もSUUNTO製品他、リストデバイスの残りをまとめようと思います。
次はすぐ更新するか、また何か月も空くかは私のモチベが上がるかどうか次第ですが(苦笑)
お読みいただきありがとうございました。  


2023年06月26日 Posted by 4039  at 19:37Comments(0)初期アフガンウォッチ

初期アフウォッチ SUUNTO VECTOR



TENETが各種動画サービスで配信されていたので、ようやく観れました。


ノーラン作品は全体的に好きなので(特にインセプションとメメント)、今作もかなり楽しめました。
インセプションやメメント、インターステラーでも独特な時間描写がありますが、今回は特別難解で初見では全く理解できないシーンがいくつかありました(苦笑)
メメントは初見がDVDでしたが、観終わった直後に特典の「時系列順にシーン並べたバージョン」を見返してスッキリしたのはいい思い出です。


もし劇場で観ていたら、ずーっと頭の中で時系列整理しようとして頭が沸騰していたかもしれません(笑)
インセプションも映画館で2回観ました。
ノーラン監督作は1度目より2度目の方が面白く感じる作品が結構あると思います。
TENETは実機の航空機を格納庫に突っ込ませるシーン等、メイキングも気になったので久々にBDを購入しました。
中国に戻って隔離中にじっくり観返して各シーンを理解しようと思います。

では本題に入ります。
今回も手に入れた初期アフウォッチについて書きます。
ミリタリーはもちろん、一般アウトドア、ファッションでもメジャーなSUUNTOのVECTORです。


2014年に惜しまれつつも生産終了していますが、未だに各種オークションサイト等で数多く取引されていますよね。
米軍特殊部隊でも使用例と思われる写真は多々ある印象です。






初期アフグリーンベレーでも使用例と思われる写真があります。




超メジャー級の写真ですね。
2002年の3rd SFGという認識です。
この写真が撮られたのと同時期にディスカバリーチャンネルが密着しており、ドキュメンタリー番組が存在します。
過去まとめてありますので、詳細気になる方は下記リンクをどうぞ。
過去記事「初期アフ映像考察 Discoveryチャンネル編 PART1

以前ふと気が向いたのでVECTORについてモデルチェンジ遍歴を調べ上げ、流れで初期アフ時期に合う仕様のVECTORを調達しました。
過去記事「SUUNTO VECTORマイナーチェンジ考察



ようやく現物を触る事ができましたので、改めて細部を観察、記事にしておこうと思います。
状態はファッションとして街に着けていくにはちょっと躊躇するレベルの使用感です。
ベゼルの印刷はかなり掠れ、SUUNTOロゴも完全に消え去っています。

(メーカーのロゴが簡単に擦れて消えてしまう仕様にするって、日本メーカーに勤める身としてはちょっとあり得ないセンスに感じます。)

水平確認用の画面右上の水泡も消滅してしまっています。


しかしその他の機能は問題無し、バンドも加水分解の気配はゼロでまだまだ現役で使えそうです。
しかも説明書まで付いて電動ガンのマガジン1本程度のお値段でしたので言う事なしです。

説明書は操作方法なんてググればいくらでも出てくるのでどうでもいいのですが、購入年月日が入っていたのが超大きかったです。


2001年8月10日に日本の時計専門店で購入された個体のようです。
ばっちり9.11の前ですね!
という訳で、この仕様であれば間違いなく初期アフ時点でオーパーツでは無い確証が取れました。
VECTORにはヴィンテージ的な価値観は無いらしく、旧い仕様の方が人気が無いので安価で入手できる傾向です。
ちょい旧め装備ファンとしてはありがたい状況ですね。

ちなみに当時のSUUNTOの修理センターの住所もメモで書いてあり、現在の住所とは異なっていました。
この情報もいつかSUUNTO製品の年代特定をする際に威力を発揮する情報かもしれません。
こういうわずかなヒントの積み重ねが、しばしば重大な知識を紡ぎ出すきっかけになったりします。
自分自身が忘れない為&振り返りやすくする為にブログに書き残す、という管理手段は結構有効だという事もこの数年で身に沁みました。
今後またSUUNTOの事を検証する際、自分のブログで「SUUNTO」と検索すれば自分の持っている情報は大体まとまって確認できますからね。

あと説明書読んでいて知りましたが、VECTORはケース裏面にレーザー刻印で製造番号が入ってるんですね。
6ケタの数字で、私の個体は左から2ケタ目が3でした。
単純に製造順で連番だとしたら3万数千個目の製造個体となり、かなり初期型と言えるのではないでしょうか。

今回入手した個体はVECTORの最初期型と認識している仕様です。
掠れてしまっていますが、ベゼル印刷がNEWS+目盛りのタイプです。
この後凸凹ベゼルバージョンになり(おそらく2001年夏~)、


その後シンプルべゼルになり、数字+目盛り印刷バージョンになります(おそらく2004年秋~)。


もっと細かい仕様変更があった可能性もありますが、大まかにはこの流れで合っていると思います。
なので、2代目の凸凹ベゼルバージョンでも初期アフから使用OKだと思います。
最終型も2004年から2014年なので、大抵の年代に合わせられますね。
ただ、カラーリングは発売時期や地域が限定されている可能性があるので注意が必要だと思います。
初期型であれば2001年夏には後続仕様に切り替わっていて、そこからカラバリ発売も無かったでしょうから、どの色も2001年夏までに発売されたものだと推測します。

持った感じは大きい体積に対して軽量なので、非常に軽く感じます。
前回記事にしたPAG-40と持ち比べると、サイズはほぼ同じですが重量感は若干違います。


公称値はVECTORが55g、PAG-40が74gのようです。
主な重量差となっている要因は下記でしょうか。

風防
VECTORは風防がアクリル、PAG-40はミネラルガラスです。
アクリルとガラスでは比重が倍近く違うので、重量差の大きな要因になっていると思われます。
また、アクリルとミネラルガラスでは圧倒的に前者の方が傷つきやすいです。
多少の傷であれば使用上は問題ないですが、美観は損ねます。
我々日本人はガラスや画面やレンズ、鏡面に傷が付くのを極度に嫌うイメージなので、アウトドア使用前提なのにこの仕様は少々辛いものがありますね。
ただ、浅い傷であれば研磨で消せるのと、スペア部品が手に入ればドライバー1本でベゼルごと交換が可能なようです。

裏蓋
VECTORの分解写真を見るとベゼル+風防とセンターの2ピース構造のようです。


インサート金具や中枠等は入っていません。
対してPAG-40はステンレス製の裏蓋を持ち、時計として一般的な3ピース構造です。


ここも大きな重量差の要因と考えられます。
また確認はしていませんが、センター内部にはステンレス製の補強フレームが入っているはずです(G-SHOCK等と同様)。

結構腕時計の重さは気にする人が多い印象で、10g程度違うだけでも結構感じ方が変わってきますよね。
軽い方が装着感は良い傾向です(軽すぎると安っぽいという向きもありますが)。
構造としては全体的にPAG-40の方が丈夫な印象です。
防水性能もVECTORは3気圧、PAG-40は10気圧で、アウトドアで使用する事を考えると防水性能の差は大きいと思います。
ただ、VECTORは防水性能を犠牲にした代わりにコイン1個でワンタッチで電池を交換できる構造になっています。


対してPAG-40はまず裏側カバーを外して裏蓋を外してと、細かいネジを8本も外す必要がありかなり面倒です。


PAG-40は数年は電池が持つ仕様ではありますが、万一アフガン等に派遣中に電池切れした場合は交換が厄介だったのではないかと思います。
対してVECTORは予備の電池が手元にありさえすればものの2分で交換出来てしまいますので、その点はかなりのアドバンテージだったのではと思います。
電池残量が5~15%になると画面に警告が表示されるので、任務中に不意に電池切れ、という心配も皆無です。

GARMINのリストGPS Foretrex101について考察した際にも書きましたが、同時期に発売した101(電池式)と201(充電式)の関係に近い物を感じます。
過去記事「GARMIN Foretrex101




ミリフォトの使用例は圧倒的に101が多いです(201は見たこと無いレベルです)。
基地内のPX等で101しか置いてなかった等の理由も十分考えられますが、汎用的な乾電池駆動で即時交換できる仕様の方が好まれたのではないか、というのが私見です。
各種物資や専門のアフターケアが自由に都合がつく状況ではない環境の場合、簡便に機能維持できる性能というのも重視される点なのではないかと思います。
腕時計は任務上必需品だと思いますので、電池切れで使用不能になるリスクを排除できるという点を評価してVECTORを好んだ隊員は多くいてもおかしくない気がします。

モジュールの機能や操作性はVECTORもPAG-40も大差ない感じです。
センサーの精度差は不明ですが、時刻、気温、気圧、高度、方角が分かります。
ボタンの数はVECTORが4、PAG-40は6です。
PAG-40の方が数が多くてややこしいかと思いきや、方角、気圧&気温、高度測定モードが専用ボタンに振り分けられており、むしろ初見でも迷わず使えます。
特にバックライトの使用感は大きく違うと感じました。
PAG-40は上面にある点灯専用のLIGHTボタンを押せば即時点灯します。


分厚い手袋をしていても押しやすいです。
対してVECTORは右上のMODEボタンを2秒間押し続けると点灯します。


ボタン自体は本体より出っ張っているので手袋をしていても押しやすいですが、2秒間押し続けるのは億劫ですし不便を感じる場面が多いと想像します。
個体差や状態、電池残量等もあるとは思いますが、私の持っている個体ではPAG-40の方が明るく点灯し視認性は段違いに良いです。

さらにPAG-40にはオートELライト機能というものがあり、手首を傾けるだけで点灯させる事も可能です。
実際の任務上この差が使い勝手にどう影響するかは想像しきれませんが、暗くて両手が自由に使えない場面は茶飯事だったとは思いますので、ライト点灯操作は時計選びの際に注意している点かもしれないですね。
こういった時計やその他の装備選びの際の基準やポイントをモノホンの隊員から聞けたら、さぞ参考になるだろうなと思います。

他にも色々と書きたい事はありますが、長くなってきましたのでそろそろ終わりにします。

格安で入手できましたし使用感も結構あるので、サバゲやキャンプ等でガシガシ使っていこうと思います。
バンドはまだ新品が普通に手に入りますし、BB弾が被弾して風防が割れてもまあ痛くないです。
不動品やジャンク品もまだまだ市場に溢れているので、安価で部品取りして補修等も簡単そうです。
当時モノを心置きなくサバゲ投入できるという点ではおススメできるウォッチかもしれません。
早い時期に最終型に落ち着きそこから息が長かったので、幅広い年代で使用できるのも有難いところですよね。

個人的に靴や時計、グローブあたりがその装備に対する熱量を推し量りやすい部分だと思っています。
この辺りは基本プレキャリ等よりは情報収集や調達の優先度が下がりがちで、かつ本気になって拘ろうとすると意外と情報が少なく、しかも入手や維持が難しいと思うからです。
特に靴はサイズが合わないとダメなので苦行と言えますよね。
なので入手困難だったり、見慣れないけど考証的に合っている靴を履いていたり時計を嵌めていたりする方を見ると「本当にこの装備が好きなんだなあ」と感服します。

今後もみみっちく2000年代前~中盤あたりの小物を研究&収集していこうと思います。
まだまだ記事にしておきたいアイテムが溢れていますので、まだしばらくアイテム紹介記事が続くと思います。
お読みいただきありがとうございました。  


2021年02月03日 Posted by 4039  at 17:58Comments(0)初期アフガンウォッチ

初期アフウォッチ CASIO PAG-40



先週、出張と休暇を兼ねて1年振りに中国から帰ってきました。
現在自宅でリモートワークをしながら14日間の待機中です。
妻子は1年半前に中国に赴任する時に千葉の実家に帰しているので東京の自宅は完全に1人で、もし万が一感染していても他の人にうつすリスクは無く安心です。
完全に一人の時間が14日も続くなんて、人生後にも先にもこの一回かもしれませんね。
孤独が苦手な方は精神的に辛いところかもしれませんが、私は基本一人でいるのが大好き&インドア趣味沢山なので、むしろかなり嬉しい状況です(笑)
この機会に1年間買い溜めたアイテムの整理&記事化や、趣味部屋の棚卸&整理を実行しようと思います。

今回の記事は買い溜めアイテム第一弾です。
CASIOのPATHFINDER PAG-40というモデルです。


以前アメリカのアウトドア雑誌で偶然PATHFINDERの広告を見たのが今回入手したきっかけです。
関連記事「パスファインダー騒動


PATHFINDERは日本等で展開しているPRO TREKの北米向けのブランドです。
北米では独特な単位を使用しているので、その単位表記に合わせる為に別ブランドを立ち上げたと認識しています。
あと一説では「PRO TREK」という響きがアメリカ人的には商品のイメージと合わない為、という話もどこかで聞いた気がしたようなしないような記憶があります。

この時計は初期アフドキュメンタリー番組「Profiles From The Front Line」内で、2002年と思われる3rd SFGの隊員に巻かれていると以前考察しました。
関連記事「初期アフガンお宝映像考察 PART3




ただこの時はPATHFINDERの存在が頭に無く、PRO TREKのPRG-40だと考察し入手しました。


おそらく当時アメリカ在住の方でしたでしょうから、PRG-40ではなくPAG-40と考えるのが自然ですよね。
知ってしまった以上、米軍装備でPRO TREKなのが許せなくなり手ごろな価格で某オークションで転がっていたPATHFINDER PAG-40を入手した次第です。

ちなみにSEALsのTEAM10と思われる写真でもPAG-40らしきものが映っていました。


あるサイトでは2007年のイラクという言及がありました。
SEALsは門外漢なので私には信憑性は考察できませんが、ACUを着ているので2000年代中盤以降なのは間違いないと思います。
カシオ公式サイトから分かりますがPRG-40(多分PAG-40も)は2000年発売ですが、2010年くらいまでは普通に各部隊で使われていたかもしれないですね。
少なくともACU+SFLCSてんこ盛りのODA装備で巻いても不自然では無いと言えそうです。
ちなみにあるスペイン語のサイトでは、この時計をPRO TREK PRG-40だと言及していました。
私と同じ過ちを犯していますね(笑)
ヨーロッパでもPATHFINDERは展開していないはずなので、まあこの引っ掛け問題に気づくのは難しいと思います。
北米在住者以外はPATHFINDERという発想は盲点かもしれないですね。

入手した個体は全体的に使用感こそあるものの劣化や錆び等は無く、まだまだ普通に使い続けられそうです。
センサー類含めた各機能も問題無く稼働します(精度は不明ですが)。


PRG-40と並べて、パッと見た目は全く同じ時計です。
左がPAG-40、右がPRG-40


PRG-40は電池切れてましたが、交換するのが面倒なので放置中です。
電池4個も使う大飯食らいですし(苦笑)

以前の記事でも外観の違いを考察しましたが、ようやく現物を手に取れましたので、前回気づかなかった部分を含め外観の相違点を挙げていきます。

まずすぐに目が行く目立つ部分です。
・6時側バンド根本ブランドロゴ


・遊環ロゴ


・裏側のカバーロゴ


この3点が最も目立つ違いだと思います。
細かい所も見ていきます。

・尾錠の形状


PAG-40の方がシンプルですね。
仕上げはPAG-40が鏡面、PRG-40は梨地です。
PAG-40の方は後述しますが新品の替えバンドを入手しており同じ尾錠であることを確認しましたが、PRG-40は前の持ち主が尾錠を変えている可能性はあります。

・防水表記
PAG-40はメートル表記


PRG-40はBAR表記


写真撮る時気づきましたが、私のPRG-40見切り板が回転しちゃってますね。

・液晶の黒い帯部の表記
PAG-40


PRG-40


PAG-40は高度と気圧の単位が切り替えられるので、2種類書いてあります。

・裏蓋の刻印
PAG-40
2271 PAG-40とあります。


PRG-40
2272 PRG-40とあります。


2271と2272はモジュール番号を示しているので、モジュールが異なるという事ですね。
おそらく単位表示の違いだけだと思います。
面白い事に、その下にある「WATER RESISTANT 10BAR」はPAG-40も何故かBAR表記です。
きっと図面作成時に気づかずBARのままにしてしまい、そのまま金型を起こしてしまったのでしょう。
後で気づいたけど見て見ぬ振りをしたのかもしれませんね。
印刷であれば簡単に版を直せますが、成形金型、ましてや凸文字部を直すのは簡単ではないですからね。

まあ防水表記は法律等で決められたものでは無く、あくまで慣習的なもののようですから特に製品上問題は無いはずですが、表がメートルで裏がBARっていうのはなんか気持ち悪いですね。
多分カシオの設計者がミスったんだと思います(笑)

外観の相違点はこれで全部だと思います。
地味ですが結構いろんな部分が違いますね。
特にブランド刻印は目立ちます。
PATHFINDER刻印のバンド単品は日本のAmazon等で簡単に手に入りますが、バンド替えただけでは私は満足できないレベルの違いでした。
バンド調達だけでやめておかず、本体も買って良かったです。

加水分解はウレタンバンドの宿敵ですので、替えバンドは保険として十分持っておく価値がありますしね。
バンドは後継機と共通でまだ現役なので、あと10年以上は余裕で入手可能だと思います(カシオの時計部品はモデル生産終了後7年間は保守対応期間=部品発注可能です)。
私は国内のオークションサイトで入手済です。




袋にある対象機種の記載から、PATHFINDER PAG-40としてカラバリ展開していたのは本機3Vの他には5V、7Vで、計3機種のようですね。
5Vは日本ではPRG-40BJ-5JRとして2000年に発売された機種と同型と思われます。


7Vは日本ではPRG-40KJ-7JRとして2001年8月に発売された機種と同型に見えます。


ただ日本版(PRG)はクロスバンドで、北米版(PAG)は3Vと同型のウレタンバンドのようです。
PAG-40-5V、7VをPRG-40で代用する場合はバンドはPATHFINDERのウレタンバンドを別途調達する必要がありそうですね。
いずれにしても米軍ミリフォトでPAG-40らしき時計が映っている場合は上記3仕様の内のどれかだと思われます。

条件の良いPAG-40自体は国内販売は絶望的で、海外オークションサイトでもあまり見かけませんが皆無というわけでは無い認識です。
バンドが千切れて使えなくなる心配のない初期アフウォッチはそう無いので、その意味ではおススメかもしれません。
(G-SHOCKのDW-5600EやDW-6900-1Vは初期アフ適合でしかも現在もメーカー生産中の現役機種ですが、調達しやすいが故に装備好きが集まると被りまくるのがツライです(苦笑))
ベゼル等の外装が壊れた場合でも、比較的調達しやすいPRG-40から移植できますし。
冒頭で述べたように、使用例と思われる有名な映像もしっかり残っていますしね。

これで「へー初期アフ装備してんだー。ちょっとその時計見せて。あれーこの頃の米軍装備でプロトレックって変じゃなーい???」と迫ってくる指摘オジサンと会敵しても安心です。
まあそんなオジサンこの世に存在しないと思いますので、完全に自己満ですね(笑)
1mも離れればPRG-40もPAG-40も見分け付きませんので、国内で安価で簡単に手に入るPRG-40で十分代用に耐えると思います。
まあ、こういう部分まで拘るのが装備趣味の醍醐味と言えば醍醐味であるとは思いますが。

次もメジャー初期アフウォッチについて書こうと思います。
お読みいただきありがとうございました。  


2021年01月27日 Posted by 4039  at 21:48Comments(2)初期アフガンウォッチ

SUUNTO VECTORマイナーチェンジ考察



コロナの影響で飲み会や出張がめっきり無くなり、家にいる時間が増えたのですが、Call of Duty MWはちょっと飽きてきたので今違うゲームをせっせとやっています。
World of Tanks(以下WoT)というゲームです。


オンラインで15対15で、主に2次大戦周辺頃の戦車で戦うゲームです。






高校生の頃、PSソフトのパンツァーフロントが大好きだったので、当然このゲームもドハマりしました。


当時「パンツァーフロントでプレイヤー対戦できたら最高だろうなあ」と夢見ていたので、まさに夢が形になったようなゲームです。
ファミコン現役時代から、多感な時期に激動の進化をリアルタイムで味わえている世代なので、ゲーム史的には本当にいい時代に生まれてきたと思います。

元々はPCゲームで2011年4月にサービス開始、PS4版は2016年1月にリリースされ、今も現役の息の長いゲームです。
私はPS4版リリース直後にデビューし、今もやっています。
がっつりハマる時期もあれば、数か月ログインすらしない時期もありますが、この1ヵ月くらいはがっつり期間真っ最中です。
WN8でようやくユニカムが見えてきたので、とりあえずユニカム目指して頑張ろうと思います。


「WN8」というのはWoTにいくつか存在する「プレイヤーの技量指標」みたいなものの一つで、プレイヤーの個人戦績から自動的に算出されます。


ドラゴンボールで言う所の「戦闘力」みたいな感じです。
「ユニカム」というのはこのWN8が2450~2899のレンジのプレイヤーの称号で、人口分布としては上位0.1%に入ります。
ラテン語で「唯一無二」みたいな意味らしいです。

既に熟成されつくしておりゲームシステムの完成度は非常に高く、どのFPSともロボ対戦ゲーとも異なる独特の操作感、戦術が病みつきになります。
グラフィックや挙動、音、超マニアックな車種等、戦車への愛が滲み出ているので、戦車好きなら間違いなくやって損は無いと思います。

近年、戦車にまとわりつくようになってきた「女子高生イメージ」ですが、このゲームにはそんな「萌え」的な要素は皆無です。
乗組員は劇画調のおっさんばかりです。


少し課金すると声やビジュアルをカスタマイズできますが、劇画のおっさんを別の劇画のおっさんに変えられるだけです(笑)
ポリコレに配慮してか、いつからか女性乗組員の選択もできるようになりましたが、もれなく劇画で「萌え」の欠片すらない安心設計です。


私としては戦争モチーフのゲームは、こういう硬派な方が大好物です。
同じシステムでも、ガールズ&パンツァーみたいな雰囲気だったら絶対プレイしてないと思います。
PS4版リリース直後にガールズ&パンツァーのⅣ号戦車が配布されましたが、乗っていたのはちゃんと劇画な独軍おっさんで安心しました(笑)


基本無料なのも素晴らしいです(私は4年間で3000円も課金してないと思います)。
今まで7500戦やっていますので、インターバルやロード時間含め1戦7分と見積もると、900時間近く遊んでいることになります。
3000円を900時間で割ると、1時間あたり3.3円で遊べているという駄菓子屋も真っ青のコスパですね。
ちなみにこのゲームの総ダウンロード数は、PC版を含めると軽く1億は超えているみたいなので、一人当たりが超微課金でも塵も積もればでしっかり利益を生んで、質の良いサービスを維持できているのでしょう。

無料で気軽に始められますが、ガチでやり込むなら攻略wiki等を熟読して、各種戦術要素や各車種の諸元(装甲配置や機動力、主砲の弾種、貫通力や威力、弾薬庫やエンジンルームの位置等)を頭に叩き込んで戦場で立ち回る必要があり、奥はどこまでも深いゲームです。
今まで私がプレイした対戦型オンラインシューティングゲームの中では、間違いなく一番の完成度だと思います。


つい戦車話が長くなりましたが、そろそろ本題に入ります。
最近無性にウォッチ熱が上がっているので、また腕時計の事を書きます。
今回は珍しくCASIOではない時計の話です。

ミリタリーファンにはおなじみのSUUNTO VECTORについてです。


たまには装備でG-SHOCK(CASIO)以外の腕時計も選択肢に入れたいと思い、候補を探していたところ、VECTORの存在を思い出しました。
初期アフの頃から登場しています。




2000年代中盤以降も使用例はかなりあると思います。
ナショジオドキュメンタリーの「INSIDE THE GREENBERETS」でも着用していると思われる隊員がいます。


各種オークションサイトで見てみると、程度によりますがお手頃な価格で出回っています。
ただこれも息が長い製品にありがちな、年代によるマイナーチェンジがいくつもありそうです。
調達するにしても「数年前に生産終了した」くらいの知識しかなく、どれを選べばオーパーツにならないか分からなかったので、この機会に色々調べてみました。
大変ありがたい事に、「特殊部隊という響き」で既にVECTORの年代について考察記事を書かれておりますので、まず基礎をここで勉強させていただいた上で、私なりに肉付けしてみました。

軽くネットを調べてみると、発売年は1998年、ないし1999年という情報がいくつか出てきました。
生産終了は2015年のようで、2016年に「FINAL EDITION」という限定モデルが発売されたようです。


とりあえず最終形はこれで間違いなさそうですね。
ご丁寧に「FINAL EDITION」って入ってますし。


約15年の超ロングセラーモデルだったという事ですね。
少し調べてみたら当然マイナーチェンジしていました。
変遷を順を追って書いていこうと思います。

但し、今回ベゼル部の形状仕様のみに注目して変遷をまとめてあります。
ベゼル以外の仕様変更やソフトの変更、各年代のカラバリ展開は一切考察していませんのでご注意ください。
特にカラーはかなりの数が出ては消えているようなので、形状だけでなく「この年代には存在しない色」というオーパーツ判定が出てきそうです。
カラー展開については今後気が向いたら考察を進めようと思います。

まずは初期モデルを見極めるべく、いつもの「BACKPACKER誌しらみつぶし作戦」を実行したところ、1999年2月号に初めて広告が登場しました。




これが私が確認できた最古と思われる情報です。
おそらく本国フィンランドはじめ特定の地域では1998年の秋頃発売し、その他の地域ではタイムラグがあって1999年初頭頃に発売になったのではと想像しています。
まあいずれにせよ、9.11時点では確実に存在していた事になりますね。

ただBACKPACKER誌はわかりませんが、通常日本の雑誌は実際の発売月と「〇月号」の差が2ヵ月くらいあるので、1998年12月に発刊されていた可能性もありますね。
そうなるとアメリカでもVECTORは1998年には売っていた可能性が高そうです。

次に、同じ1999年の2月にオーストリアのどこかの旅行会社?のチラシにVECTORが載っていました。




ネットって本当に何でもありますね。
こんなモノまで拾えるとは思ってもみませんでした(笑)
では、ベゼルの特徴を見ていきましょう。

BACKPACKER誌


全体的にツルっとしていて、NとSの部分は湾曲し、外周に小さな突起がいくつも有ります。
印刷は「NEWS」と、NSの外側、WEの内側に線が引いてあります。

オーストリアのチラシ


一見同じですが、よく見るとベゼルの内周側に目盛りが振ってあります。
WEの内側の線は有りません。

同じ時期の画像のはずなのにいきなり仕様が違います...。
仮にBACKPACKER誌発刊が1998年12月だとして、チラシが1999年2月だとしても2ヵ月しか違いが無いです。
そんな短いスパンでマイナーチェンジが入るとは考えづらいです。
他にも1999年当時のVECTORの画像を漁りましたが、個人が撮影したような写真でBACKPACKER誌と同じ目盛り無しはありませんでした。




他の広告画像では、BACKPACKER誌以外でも目盛り無し仕様は確認できました。


このことから、おそらく広告用の画像を撮影したサンプルはまだ最終仕様ではなかったのではと想像しました。
広告用サンプルが完成した後に急遽目盛り印刷有りの仕様に変わったが、広告は差替える時間が無くそのまま掲載された、という感じです。
私は某メーカーに勤めていますが、結構こういうことはあります。

幻の「目盛り無し」仕様が市場に存在する可能性は無きにしもあらずですが、現時点では「ツルツルベゼル+NEWS+目盛り」が最初期モデルだと判断します。

次にネットを時系列順に探っていると、2001年秋にベゼル形状が異なる写真が出てきました。




先代に比べ非常に凸凹しているので一発で見分けが付きますね。

2020/12/4追記
某ネットオークションで2001年8月に購入したと思われる個体を発見しました。







出品情報からもおそらくこの個体に付属していた説明書である事は間違いなさそうなので、2001年8月時点でこの凸凹ベゼル仕様は世に出ていた可能性が濃厚だと考えます。

次に、2004年秋には再び初代同様のツルっとした形状に戻っています。


初代との見分け方は、NEWSが消え代わりに数字印刷が入ったところで、これも非常に分かりやすいですね。

以降、2014年の生産終了までベゼルの仕様に関しては変わっているように見えません。
私が写真で見る限りその他の部分も何も変わっていないので、早くに完成されたデザインだったということですね。
2020年の今の目で見ても洗練されているように思います。

まとめます(陸特装備目線)。
・初期アフとしては「ツルツルベゼル+NEWS+目盛り」の初期モデルが無難。
・凸凹ベゼル仕様は2001年秋登場なので、初期アフ的にもまあOKだがオーパーツのカラーはあるかもなので注意。
・初期イラクでは初期か凸凹ベゼルが該当。
・ACU登場以降は「ツルツルベゼル+数字」の後期モデルが自然。ただしこれもカラーによってはオーパーツになるので注意。

ネットでブログ等で個人所有の使用個体を見ていると、ベゼルの印刷、ケースの「SUUNTO VECTOR」の印刷がいずれもただの平面への印刷の為、すぐに剥げてしまっています。
オークションで出回っている中古個体もロゴや数字の印刷が剥げている物が多いです。



新品の高級感あるシボも見事に削れてテッカテカの個体が多いです。
使用環境や頻度によると思いますが、1、2年も使用すると印刷もシボもすっかり剥げている傾向があります。
大事な会社名と製品名を掲げたロゴや、機能上必要な数字印刷が1年そこらで剥げてしまうのは、名のある時計メーカーの製品ではあまり考えられないような気がします。
ちなみにロゴについては気になる人もやはりいるらしく、自作デカールを作成されていた方もいるようでした。



個人製作でオークションでほんの少し出品されていただけのようですが、結構需要ありそうですよね。
私も普通に欲しいと思いました。

また、風防も樹脂製の為、かなり傷が付きやすかったようです。
アウトドアでの比較的過酷な条件での使用が前提で設計されたはずですが、(機能ではなく美観を保つ意味での)耐久性は低い構造です。
日本では「フェスやキャンプに着けていきたいオシャレウォッチ」的な売られ方が多かった記憶があるので、この美観耐久性の低さは日本ユーザーのニーズには相反していたかもしれませんね(それでも人気だったようですが)。
神経質なまでにモノを大事に扱う日本人にとっては、なかなか精神衛生上良くない設計ですね(笑)

腕時計としてみたら「雑な外装設計だな」と思いますが、VECTORは腕時計ではなく実用ツールとしての「リストコンピュータ」として設計されたのかもしれませんね。
あくまで装飾品である腕時計とは、コンセプトがそもそも大きく違うのかもしれません。
よく比較されるCASIOのPRO TREKは「時計メーカーが作ったアウトドアウォッチ」で、VECTORは「コンパスメーカーが作ったリストコンピュータ」であって、見た目や機能は通ずるものがありますが、全く違う設計思想の基に産まれたのかもしれませんね。
そもそもSUUNTOは時計屋としての技術は未熟でしたでしょうし。
電池交換もVECTORはユーザーが自分自身で簡単に出来るようになっているという点も、腕時計としたらかなり大胆で常識外な仕様ですね。


ちなみに同じくらいの時期に発売され、同じく気温や気圧、方位センサーを搭載しているPRO TREKのPRG-40は、なんと4つも電池が必要です。


PRO TREKは電池交換無しで数年は使用でき、その代わり交換は専門店等で行うという設計思想なのでしょう。
もしかしたらVECTOR発売当時のSUUNTOは時計店という販売チャネルがなく、VECTORは時計店でのアフターサービスを受けづらいと想定し苦肉の策で「自分で電池を換える」という仕様にしたのかもしれませんね。

こんな感じで調べているうちにどんどん物欲は膨れ上がったので、早速品定めです。
日本でも人気でロングセラーだっただけあって球数は多いですが、上述のような仕様なので総合的に状態が良い個体は多くないです。
中には状態が良いものもありますが当然高価で、使うとすぐに剥げたり傷つくと思うと食指が伸びません。
当然壊れたら修理もできませんしね。

そんな中、初代モデルがチープカシオ並の激安&当時の説明書付きで出品されていたので、思わず即決してしまいました。



使用感がかなりあり、ロゴとWE印刷がいないですが、電動ガンのマガジン1本くらいの価格だったので贅沢は言えません。
説明書の類は年代考察資料として有用な場合が多いので、私にとってはかなり大きいオマケです。
元々やつれている上に安かったので、サバゲで気兼ねなく使えて好都合です。
それに現場で1年も使われればこれくらいにやつれていそうな感じもしますし、初期アフ装備的にはリアルと言えるかもしれませんね。
上の方で写真載せましたが、色も初期アフドキュメンタリー番組「Special Operations Force: America's Secret Soldiers」で隊員が装着していたと思われるブラックです。



無事、初期アフウォッチレパートリーが増えました。
まだ現物は日本の実家にあり、状況が状況なのでいつ帰国して確認できるか分かりませんが、中々良い買い物をしたと思います。
現物確認できたら、また詳細を記事にしようかなと思います。

お読みいただきありがとうございました。  


2020年03月09日 Posted by 4039  at 22:13Comments(0)ウォッチ

パスファインダー騒動



先週土曜日に発売されたNew Balanceの5年ぶりのM1300復刻版(M1300JP3)ですが、見事に抽選外れました。


発売日の朝から、早速国内オークションにずらっと転売商品が並んでいますね。
定価4万弱に対し、サイズによっては8万程度で落札されています。
ネットで10分程度手続きすれば抽選完了し、当たればほぼ確実に3~4万円儲けられ、売れるのが数年後だろうと原価割れして損する可能性はゼロという、転売物件としてはかなり優良商品でしょうね。
5年に1回ですし、定価1万ちょいプラスの5万円程度なら転売屋から買ってもいいかなと思っていたのですが、考えが甘過ぎました(苦笑)
まだ発売して1週間も経っていないので、落ち着いたらもう少し相場は下がるかもしれませんが。

まあ4万円のスニーカーを履いていたら、道の泥とか水たまりとかに常に気を付けなければいけないし、汚れたり傷つけてしまった際の精神的ダメージは計り知れないわけで、いくら「雲の上を歩いているような履き心地」だとしても、貧乏人が履いたら街を歩くだけで際限なくストレスが溜まるから逆に買えなくてよかった!と自分に言い聞かせています。

振り上げた拳(お金)のおろす先と言ってはなんですが、慰めに限定版ではないM1300の復刻版を購入しました。


M1300CLという、数量限定ではないですが限定的な展開(流通店舗が限られる)がされているモデルです。
5年に一度のM1300JPが「完全復刻」を謳っているモデルで、M1300CLは「オリジナルのフォルムを継承しつつ、現代技術を取り入れアップデートする」モデルのようです。
JPに比べると安いとはいえ、スニーカーのくせに税込みで3万円オーバーする中々の重鎮です。
今回、新古品でかなり安く手に入れることができました。
New Balanceの上位モデルは公式でソールや履き口の修理が可能な上、M1300CLであればボロくなったら比較的容易に買い替えも可能なので、5年後か10年後か、いつの日かJPが手に入るまで永く付き合っていきたいと思います。

ちなみにM1300CLも来月日本で再販されるようですね。
公式サイト特設ページ:https://shop.newbalance.jp/shop/e/eEnb-m1300cl

たぶん今日から先行予約開始だったはずですが、公式サイトでは既にかなりのサイズが売り切れになっていました。
CLの方もどんどん人気になって、いずれJP同様入手困難アイテムになってしまうのでしょうか。。

それでは本題に入ります。
前回に引き続き、ニッチなCASIOの時計ネタです。

ちょっと調べたい事があり、久々にアメリカのアウトドア雑誌(BACKPACKER)のバックナンバーをしらみつぶしに読み漁っていたところ、目当てのモノ以外で発見がありました。
1998年10月号に、トップ画像にもした下記広告が出ていました。


CASIOの腕時計です。
「ふーん、CASIOも宣伝してたんだ」程度に思い、とりあえず後でモデル考察できるよう画像だけキャプチャしようとふと見ると、「PATHFINDER」と書いてあります。


「ああ、そういえば北米向けのブランドにPATHFINDERってのがあるって、どこかで聞いた事があったな」と思い出し、何気なくebayで「PATHFINDER」で商品検索してみました。
すると、下記写真が出てきたのです。


機種名は「PAG-40」とあります。
これは日本ではPRO TREKブランドで「PRG-40」として売られていた物に違いないでしょう。


このモデルに関しては過去、初期アフドキュメンタリー番組「Profiles From The Front Line」に出てくる隊員が着用していると考察しました。



過去記事:「初期アフガンお宝映像考察 PART3

このPAG-40を見つけた事によって、私にとって不都合な真実を知ってしまいました。
私は以前、初期アフ装備用にPRG-40を入手し、サバゲに限らず普段使いでもたまに着用している程のお気に入りの時計です。


しかし今回の発見で、米軍装備としてはPRG-40ではなく、正確にはPAG-40を着用しなければいけないという結論が導かれてしまいました。
しかもPRG-40とPAG-40の外観に大きな相違点があったならば、これは一大事です。
慌てて両者の外観を比較しました。

私が把握できた、すぐにわかる相違点は3点です。

1.バンドに書いてあるブランド名印刷



2.遊環のブランド名印刷



3.裏側の樹脂カバーのブランド刻印



モジュール番号はPRGが「2272」、PAGが「2271」で違いますね。
調べてみると、モジュールの中身は単位をフィートや華氏等、向こうで一般的に用いられる単位に切り替えできる違いがあるようです。
困った時のwikipediaに載ってました。
URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/PRO_TREK

裏側はまあ着用すれば見えないから妥協できるとしても、バンドの2箇所の印刷は個人的にはかなり気になります...。
こうなったらPAG-40を買い直すかと思いましたが、死ぬほどボロボロのクセに結構なお値段のものばかりです。



「よくこんな状態の時計を人に売ろうとするよな」と思います(苦笑)
比較的安い不動品を入手し、部品取りだけで考えても二の足を踏んでしまう費用対効果です。
前回記事にしたばかりですが、この機種もバンドはウレタンなので劣化している可能性も高そうですし。。

「この事実を知ってしまったからには、もうPRG-40は米軍装備で着けられない」と途方に暮れました。
本当に装備趣味は「知らぬが仏」だと思います。
知りさえしなければ、そのまま米軍装備で着用し続けて満足したまま人生を全うできた事でしょう。
知っている方が私のブログを見た時に「あーあ、こいつ米軍装備なのにPATHFINDERじゃなくてPRO TREK着けてるよw」と思われたとしても、直接コメントされなかったり、たとえSNSで陰口を叩かれても目にすることが無ければ、平穏にPRG-40で満足できていたはずです。

しかし私は知ってしまいました。
知ったが最後、手に入れるまで終わらない旅が始まります。
新しい発見をし、新たな事実を知るという事はすなわち成長を意味しますが、同時に新たな苦行の始まりでもありますね(苦笑)
つくづく恐ろしい趣味です。

良い条件の本体が無いのであれば、バンドだけでも無いかと探してみると、なんとヤフオクで気軽に買える状態で出品されていました!



新品のスペアパーツのようです。
PAG-40(PRG-40)のバンドは現役生産モデルのPAG-240(PRG-240)と共用なので、このバンドも比較的新しいものだと想像しました。

最近はebayで出品されている品物を業者がヤフオクで代行出品(というか転売?)しているんですね。
いずれにせよ、購入代行サイトにいちいち登録せず、いつものヤフオクの手順で買えるのでありがたいです。
ebayで直接買う事も今まで何度もしていますが、トラブると面倒な上、今は中国で購入手続きして日本に届けさせるという遠隔操作でイレギュラー対応が難しいので、これはありがたいです。

しかし、同じバンドで印刷が「PRO TREK」の国内正規品の2倍近くしました。
印刷が違うだけで数千円違います。。
これも全ては知ってしまい、見つけてしまった自分がいけないのです。
まさに「進むも地獄、退くも地獄」状態ですね。
ただここで買わずに、無くなった後で死ぬほど後悔するのが一番の地獄なのは痛いほど経験しているので、意を決して即決しました。

次の帰国の楽しみがひとつ増えました。
まだ裏側カバー刻印が「PRO TREK」という課題は残りますが、ひとまず今回の私の中での「パスファインダー騒動」はこれにて一件落着としようと思います。

米軍装備でPRO TREKを着けられる方、ご注意ください。
この記事をここまで読んで「知ってしまった」方は、是非私と同じ苦しみを味わってください(笑)
買った後で気づきましたが、海外仕様バンドはオークションサイトではなく、国内の普通の大手通販サイトで国内仕様と同じくらいの値段で売られていたりしますので、気になる方は是非探してみてください。
私は焦って買い物して見事に損しました(笑)

お読みいただきありがとうございました。  


2020年02月25日 Posted by 4039  at 23:39Comments(0)初期アフガンウォッチ