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 Posted by ミリタリーブログ  at 

コンバットハイカーを履いたグリーンベレー



ダナーのコンバットハイカーですが、日本国内でも定期的に雑誌等で取り上げられたりして、ミリタリー趣味だけでなくファッション方面でも結構有名なブーツだと思います。


どの紹介記事でも必ず「アフガンに展開した米軍の要望で作られた」と出てきますよね。
個人調達ではなく支給品のはずですが、実際ミリフォトでの使用例は私はあまり見たことがないです。
「コンバットハイカーの使用例」でパッと思いつくのは下記写真くらいです。


ミリタリー系ショップのコンバットハイカーの商品紹介でもよく使われているイメージです。
この写真は至る所でレンジャーと言われており、個人的にもレンジャーと認識しています。
Crye ACと思われる上下と、プレキャリとポーチ類がRLCSを塗装しているものに見える為です。

コンバットハイカーは日本にも相当数入ってきていて、街履きにはちょっとツラいレベルの状態の個体であれば比較的安価に容易に調達できる印象です。
ダナー製なので頑丈だと思いますし、ソール剥がれの話は聞いたことはないので、いい感じのODAでの使用例を確認できれば欲しいとは常々思っていました。

陸軍に支給されていたのは確実なはずなので、当然ODAも履いていてもおかしくないとは思っていたのですが、この度ようやく明確な使用例と思われる写真を発見できました。


下記記事によると、20th SFGのあるODAの集合写真のようです。
https://sofrep.com/news/technology-hurts-special-forces-mission/

プロが書いている記事のようなので、そこいらのフォーラムや掲示板にあるような記述より信憑性は高いと思います。
ちなみに記事の内容は超斜め読みですが、ざっくり「戦争はハイテク兵器投入するだけじゃなくて、グリーンベレーのように現地で泥臭く活躍している部隊がいるんだよ」的な内容だと思います。
この写真の前列左から2番目のM14EBRを持っている隊員がコンバットハイカーを履いていると思われます。


ソールとつま先を覆うラバーの色差、ラバー部とシューホールとの位置関係から当靴だと判断しました。
以上から、この写真がODAでのコンバットハイカーの使用例であると判断しました。

次に、大事な年代分析です。
記事自体は2016年の物ですが、写真はもっと古い物だと思います。
全体的にウッドランドにSFLCS中心の装備を着ており、よく見るとマルチカムのポーチを着ている隊員がいたり、M4もガチガチのBlock2な事から、おそらく2000年代終わり~2010年代頭くらいだと思います。
私がグリーンベレー装備に本格的に興味を持ち始めたのはこの頃に近く、当時はウッドランド+カーキ装備と言えばこの写真のようなグリーンベレーが代名詞だったと思います。
なので憧れの装備ではあるのですが、今では「ウッドランドと言えばMARSOC」になってしまったので、差別化の為に初期アフ装備以外ではUCPやマルチカムを着がちです。
近年ではMARSOCはマルチカムも着ているので、どんどん混同していきますね(苦笑)

一方で、コンバットハイカーはいつ頃から登場したか?調べてみました。
いつものように、Google先生の期間指定検索を実施しました。
お店や個人のブログを調べる限り、日本で普通に小売店で入手できるようになったのは2010年初夏頃のようです。

もうひとつ気になる記事を発見しました。
URL:https://www.just-style.com/news/lacrosse-footwear-wins-20m-army-boot-order_id102557.aspx

「ダナー(の親会社?のラクロス)が200万ドルで陸軍ブーツの受注を勝ち取った」という見出しです。

会員登録しないと読めない記事ですが、かろうじて読める本文最初の2行を読む限り「コンバットハイカーブーツを2009年第1四半期に大部分を納入する予定」とあります。
文中の「コンバットハイカー」がダナーの商品固有名詞を指しているのか?ブーツの一種類としての表現なのかは明確ではありません。

2020/11/19追記
ブラウザだと読めなかったのですが、スマホだとなぜか普通に記事全文読めました。
どうやら文中の「Combat Hiker」は「軍用行軍靴」的な広義の意味合いではなく、ダナーの商品固有名詞を指しているっぽいですね。
ビブラムソール採用という記載等も実際の製品仕様と矛盾していないです。


仮にコンバットハイカーそのものだとすると、米軍納品と同時に市販できる契約だったと考えると、米軍初期納入分を生産後、民間向けに生産し米国で販売開始、その後日本人が存在を知って輸入し始め、一般的なファッション誌等が取り上げ始めたのが2010年春過ぎ頃。
と考えると上記のGoogle検索結果と辻褄が合ってくるかなと思います。
従って米軍でコンバットハイカーが使われ始めたのは上記の記事にもある通り、2009年前半からと考察しました。
今回見つけた20th SFGと思われる写真も、上述したように装備的に2010年前後と思われるので、ここも矛盾しません。

というわけで、私の中で2010年以降であればグリーンベレー装備でコンバットハイカーは有り、となりました。
グリーンベレーかどうか分かりませんが、明らかにこの数年後と思われる写真でも履いていると思しき写真があるので、2012年にダナーが倒産したタイミングでおそらく廃版にはなったのだとは思いますが、結構息が長いアイテムと言えるかもしれません。




2010年以降は私の中ではストライクゾーンから若干外れているので入手優先度は高くないですが、チャンスがあったら調達しておきたいアイテムです。
でも支給品なのに履いている人をあまり見かけないのは、余程支給量が少なかった(コスト高い、メーカー経営要因等)か、現場で不評で皆他の靴を選んでいたか、といったところでしょうか。
仮に一足2万円で納品されたとすると、初契約の200万ドル=約2億円で、単純に1万足程度は納品された計算になります。
2011年頃はアフガンだけで10万人規模派遣されていたようなので、もし後続ロットが無ければそれなりに希少な靴だったのかもしれないですね。
いずれにせよ、有名で日本でも現在入手はしやすいですが、米陸軍特殊部隊装備の鉄板とは言い難い靴なのかなとは思います。

お読みいただきありがとうございました。  


2020年11月18日 Posted by 4039  at 18:34Comments(2)ミリフォトフットウェア

初期イラク?ミリフォト考察 逆BALCS伝説再来



ガンプラ熱もちょっとひと段落してきて、また徐々にミリ熱が上がって来たので、久々にミリフォト考察します。

今回のお題はトップ画にした写真です。
まあぱっと見で2000年代初頭の中東あたりの米軍特殊部隊だという目星は付きますよね。
全員ウッドランドのBALCSを着用しており、ほぼ全員縦PALSのSF仕様に見受けられます。


となると考えられるのはSEALかグリーンベレーあたりになると思います。
DCUに交じってウッドランドBDUを着た隊員がいたり、LCのポーチを使っていたり、隊員同士の装備の被り方だったり、全員14.5インチのM4だったり、全体的に若さの無いポーズ等の印象から、SEALではなくグリーンベレーだと判断しました。
この年代はSEALとグリーンベレーが結構使っているアイテムが似ている印象です。
その際、いつも直感的にSEALかグリーンベレーか判断するのですが、答え合わせするとまず正解しています。
ただ、自分でもどこをどう見てどうやって判断しているのかちゃんと理解できていません(苦笑)
日本人と韓国人と中国人をぱっと見で判断するような感覚に近いです。

次にここはどこか?気になりました。
そこで、後ろの建物に書いてある文字に注目しました。


画像が不鮮明で全文写っていないので不安定ではありましたが、Googleカメラ翻訳してみたら「アル・〇〇さんのバー」みたいな感じでした。
ちょっと調べたら「アル」という冠詞があるのはアラビア語のようです。
アフガニスタンの公用語はパシュトー語でペルシア語系のようで、イラクはアラビア語なので、この写真はイラクの可能性が高いのかな?と思います。
中国語でGoogle翻訳掛けるとかなりの割合で謎翻訳連発しますからあまり信用ならないですし、ペルシア語とアラビア語が全然違う言語という事すら今回知ったレベルの超絶素人の分析ですので、大間違いしている可能性は大いにあります。
また、仮に言語と翻訳が合っていたとしても、看板がアラビア語なだけで場所がイラクと決まった訳ではないですしね。
日本にある飲食店だって、看板が英語のハンバーガー屋やイタリア語のイタ飯屋やインド語のカレー屋はゴロゴロある訳ですしね。
もしなんて書いてあるか分かる方がいらっしゃったら、コメントいただけると幸いです。

仮にイラクだとすると、RAVもCIRASも着ている隊員が一人もいないので、おそらく2003年だと思います。
2004年以降のイラクでのこのような集合写真では、必ずと言っていいほどRAVかCIRASを着用している隊員がいる印象です。
(あくまで印象ですが)

では、かなり精度の低い場所&年代当てをしたところで、各隊員の装備の気になった点を考察していきます。
まずは題名にもしましたが、中央で足を組んでいる隊員です。


全面横PALSのウッドランド柄のプレキャリを着ているように見えます。
肩部が見えないので断定しづらいですが、形状とPALS配置からして、BALCSを前後逆に着ているのではと考えました。
BALCSの後ろ姿はこんな感じです。


PALSは6段(全サイズ共通)でミリフォトと一致しています。
ドラッグハンドル無し、下部にアリススロット無しなので、SF仕様のバックパネルだと思われます。
所謂レンジャー仕様(正式名称RBA)の方はドラッグハンドル有り、アリススロット有りです。
左がRBA、右がSF BALCS


というかRBAだったらわざわざ前後逆に着ないですよね(笑)

下部のPALS無くプレートも入っていない余白部はおそらく裏側のどこかに紐を通して、前面のPALSに引っ掛けて吊り上げているように見えます。


体の動きに干渉して邪魔だったのかもしれないですね。
中々興味深い着こなしですね。

ちなみに胸に付いているポーチはおそらくTHALESのラジオポーチだと思います。


下部のゴムバンドが特徴的ですね。

右腰はLC-1か2のM16マガジンポーチでしょうか。




左腰にもおそらく同様のポーチがあり、グレネード収納部のひらひらにカラビナを掛けているように見えます。
カラビナは形状的にこのタイプだと思います。


過去、全快娘さんが非常に為になる記事を書いてくださっています。
「ODA961御用達の官給品カラビナ!」

この記事を見た時はまさに目からウロコでした。

このポーチは体に対してかなり垂れ下がっているので、休憩中か何かでベルトのバックルを外しているのだと思います。
靴はパナマソールの官給デザートブーツに見受けられますね。

貴重な「逆BALCS伝説」と思しき一例を新たに発見できて嬉しい限りです。
BALCSを前後逆に着ている事例は過去当ブログでも記事にしていますので、もし興味がありましたらご覧になってください。
逆BALCS伝説





次にBALCS繋がりで車上の左の隊員を見てみます。


お腹あたりにマガジンポーチらしきものを縦向きで付けているように見えます。
画像が不鮮明ですが、胸元のPALSも横向きに見えます。
肩部の形状はBALCSのそれなので、RBAのフロントパネルと判断しました。


バックパネルはSF仕様のままかもしれないですが、この写真からでは判断不可能ですね。
以前記事にしましたが、ドキュメンタリー番組でイラクのグリーンベレーと思われる隊員もRBAと思われる装備をしていました。


この隊員は後ろ姿も見せてくれたので、後ろもRBAであることがわかりました。


2002年頃の初期アフグリーンベレーではRBAパネル装備はまず見たことがないので、この事からもイラクかな?と思います。
初期イラクグリーンベレーだとRBAフロントの着用事例は結構出てきますしね。


次です。
左から2番目のウッドランドBDUを着た隊員のラジオポーチが気になりました。


これもTHALESのポーチでPRC-148が入っていると思いますが、どうやったらこんな向きになるんでしょうかね?
実物のPRC-148を持ったことがないので分かりませんが、バッテリーボックスが底部にあるので重心は底部寄りにあるはずで、BALCSの右列のPALSにアリスクリップを引っ掛けるだけだとこんなきれいな横向きにはならないと思います。
おそらくBALCSのサイドバックルのストラップも活用しているのでは?と思います。
サイドバックルストラップの付け根とラジオポーチ背面のアリススロットをパラコードかタイラップで結んでいるのかもしれないです。
どちらも所有はしているのですが遠く離れた日本の家にあるので、現物で検証できず歯がゆいです。
この向きでしっかり固定できるのであれば、特徴的かつ案外利便性の良い配置が実現できるかもしれないですね。

ちなみに通話機はH250だと思います。


左手を乗せているのはこれまたM16ポーチと思われます。
M16ポーチ大人気ですね。
未だに日本国内でもどこでも安価に手に入るポーチなので、使用例はありがたいですね。
おそらくBALCS下部のアリススロットの一番左端に装着しているのだと思います。

M4のスリングは良く見えませんが、フロントサイトポストの三角窓にパラコードを通して接続しているように見えます。


サイドスイベルを使わずこの部分にスリングを通す例はいくつか見かけた事があるのですが、理由はサイドスイベルだとスイッチしづらかったりして使わなかったという事なんでしょうかね?
ちなみに右から2番目の隊員も同じくフロントサイトポストに通しているように見えます。


M4繋がりで右から4番目の隊員のM4ですが、レイル右側面が何やら見慣れない感じです。


他の隊員のようにPEQ2ではない事は確実のようですが、何が着いているのかさっぱり分かりません。。
M203を着けていないので照準器の類ではないでしょうし、見当もつきません。

この隊員も右腰にLC-1or2 M16ポーチのようなポーチを着けていますが、ウッドランドに見えなくもなく、フラップ側面の角度も急に見えるので、もしかしたらELCSのポーチの方かもしれませんね。




ニーパッドはBijan'sのウッドランドの物と思われます。




昔はめちゃめちゃ安く売っていた印象ですが、最近はめっきり見なくなって地味にレア化していますね。
個人的には同じ時期のメジャーニーパッドであるALTAの物よりもフィット感が良く走ってもズレにくく、サバゲユースではこっちの方が優れていると思います。

とりあえず以上が今回この写真で気になった点です。

たまにSNS等で「なんで皆低解像度のミリフォト見て「これは何年の何処のどの部隊で、こんな装備してる」って分かるの??」という疑問をつぶやいている方を見かけますので、今回考察の過程を細かく書いてみました。
注意しなければいけないのは、例えば今回私が考察した内容は私の推測や想像で補完している部分が多く含まれますが、これを見た誰かが他の所で「これは2003年のイラクのグリーンベレー」と、確定的な情報として発信してしまう事があるということです。
ソースを探れれば真否を判断できますが、深く考えずその情報を鵜呑みにしてしまうと間違った知識を蓄えてしまい、最悪その間違った知識をこれまた確定的な情報としてさらに発信してしまう恐れがありますよね。
なので、私はSNS等で断定的な表現をしてある場合でも、自分の知識と照らし合わせて矛盾が無いかや、画像検索を掛けたりして他の所で異なる言及がされていないか?等を必ず調べるようにしています。

これは何もミリフォトに限った話ではないですよね。
テレビのニュースやワイドショー等も、基本的にはある物事をある側面からしか報道、紹介していないわけですから、しっかり自分なりに見極めないといけないと思います。
特に自分にとって都合の良い、耳触りの良い情報については鵜呑みにしがちなので、特に冷静に見極めるように努めています。
ただ、考え過ぎたり変に穿った見方をして「情報の一部を意図的に隠蔽して事実をねじ曲げて発信しているから、これは某国の陰謀だ!!」みたいに飛躍する必要はないと思いますが(苦笑)

SNSを見ていると、お互い都合の良い側面しか見ていない同士が延々と平行線で論争をして、揚げ足を必死になって取り合っている不毛な場面がしょっちゅうありますよね。
劇的に情報を入手しやすくなった今の時代だからこそ、その情報の「品質」について今まで以上に一人一人がよく考え、吟味していかなければいけないのかもしれないですね。

お読みいただきありがとうございました。  


2020年11月16日 Posted by 4039  at 18:32Comments(0)ミリフォト

陸戦型ジム 前衛機



このブログでも何度か話題にしたフルメタルG-SHOCK GWM-B5000ですが、ついにフルメタルG-SHOCKシリーズに後続機種が現れました。
G-SHOCK初のアナログムーブを搭載した名機AW-500のフルメタルバージョンです。


中身もオリジナルのAW-500から大幅に進化し、ソーラー充電、電波受信機能付になりました。
B5000にあったBLE機能は省かれました。
同社のOCEANUSのように針が沢山、モードも沢山の時計は操作が複雑なのでBLEでスマホ操作できると便利ですが、針2本と小さい液晶しかないこの時計なら本体操作だけで十分でBLEは不要だと思うので、良い取捨選択だったと私は思います。
更に限定品のユナイテッドアローズ別注モデルも予約開始しています。


予約開始から数日遅れを取りましたが無事予約できました。
B5000の時はポーターと別注モデルが500本限定で出て即完売しましたが、今回はどうなんでしょうね?
ちなみにポーターB5000は外装がオールDLC(ダイヤモンドライクカーボン)という高級な表面処理で、通常版のグレー仕様よりも傷つきづらい仕様になっており、性能面でも限定版に相応しいモデルです。


手に入れてから1年近く毎日のように着用していますが、今のところ傷一つなく、スマホとBLE接続すればいつでも瞬時に時間が合い、非常に信頼のおける時計です。
今回のアローズAWM-500は価格的にみて、おそらく通常のダークグレー色のIP(イオンプレーティング)だと思います。
ここはいっそのこと1万円くらい上がってもいいからDLCにして、風防もサファイアにして欲しかったところです。
中身は確実に永く使えるので、外装も永く美しさを保てる仕様にして欲しいものです。

ちなみにこのモデルと並行して、オリジナルのAW-500も復刻されるようです。


これは嬉しいですね。
一言苦言を呈するならば、液晶の位置がオリジナルより上にあり、それに合わせて文字板のデザインが結構違っています。
ただ、復刻してくれた時点で5億点ですので、細かい難癖を付けるのは野暮と言うものですね。

近年DW-5700、DW-5900と復刻されていましたが、復刻シリーズもしっかり続いているという事ですね。
これもきっとアローズコラボ復刻版も出るでしょうから、こっちも買ってメタルと並べたいです。

※この画像は昔のオリジナルのアローズコラボAW-500です。

オリジナルのアローズコラボモデルは1996年に限定発売され、結構な使用感の中古品でも未だに定価の数倍のプレミア価格で取引されている人気機種です。
上記のメタルのアローズAWM-500は転売ヤー物件では無かったようで、抽選にもならずすんなり予約できましたが、プラの復刻版が出るとなったら注目されてしまいそうですね。
しっかりアンテナ張って乗り遅れないようにしようと思います。

それでは本題に入ります。
連邦陸戦型シリーズを組もうと思い立ちましたが、それなら小隊を組まねばということで、これから連邦陸戦型MS小隊を作っていこうと思っています。
第一弾は3機構成のMS小隊の前衛を務める陸戦型ジムをイメージして、接近戦での生存性、前線維持能力を高めた改修を施してみました。
プレバンのスレイヴレイス隊仕様のHGUC陸戦型ジムをベースに小改造しました。






下記、改修ポイントです。
・上半身装甲全面に増加装甲(爆発反応装甲)を増設し、防御力UP
・増加した重量を補う+αの機動性を確保する為、推進強化型バックパックを装備
・あらゆる環境下でも小隊各機と連携が取れるよう、頭部に強化通信アンテナを装備
・武装は直接的な攻撃力よりも制圧効果を優先し、100mmマシンガンを装備
・予備弾倉は標準装備の腰部2個に加え、後部に2個携行
・陸戦型標準装備のシールドよりも防御力の高いラージシールドを装備

先頭で矢面に立って敵の攻撃を凌ぎつつ、足止めしながら情報収集&部隊に共有し、後衛機に強力な支援火器で精確に援護してもらうというコンセプトの改修です。
陸戦型ガンダムが隊長機、残り2機が陸戦型ジムで構成された小隊を組もうと思っているので、カラーリングは統一して陸戦型ガンダム標準カラーっぽくしました。


陸戦型MS系列はこのカラーリングが一番しっくりくるというか、個人的にこの色しかしっくりきません。
それにこの標準色ならどの戦線に配備されていてもおかしくなかったでしょうから、妄想の幅も広がります。
1/144陸戦型ジムですが、体は2種類(色違い除く)しか出ていないのに頭部は4種類も出ている不思議なキットです。


地上戦セットの頭部が出た頃はHGUC陸ジムがまだ出ていなかったので、先行して出ていたHGUC陸ガンの頭部とすげ替えて「ジム頭」再現用として立ち位置があったのは理解できます。
通常HGUC版と今回のスレイブレイス隊仕様の頭部を変えたのは何故なんでしょうね?
通常HGUC版が不評だったのでしょうか。
だとするとメーカーは拘りないのか?と思いますし、同時に他にも元デザインからアレンジし過ぎて不評なキットは沢山あると思うので、なぜ陸ジムだけこんな対応した?とも思います。
まあ私も通常HGUC版が気に食わないクチだったので、結果としては納得いく頭部が出てくれて嬉しいは嬉しいのですが。

ということで、通常版より割高でしたがアニメ版に近い顔が付いているスレイヴレイス隊仕様のキットを選びました。
スレイブレイス隊が出てくるサイドストーリー「ミッシングリンク」は全然内容知らない上にパラシュートパックは使う予定が全く無く、頭だけ欲しかったのですが。
まあ追加武装や陸ガンのバックパック&コンテナも付属しているのでとりあえずよしとしました。

爆発反応装甲は敵MSのバズーカ弾、敵戦車のHEAT弾やAPFSDS弾、歩兵からのロケット弾に有効な装甲材です。


腰から上の前面各所に配置され、背面や脚部には装着していません。
原則背面や脚部は露出しないよう立ち回ったと考えるのが自然なのと、脚部が露出する場合は主に機動戦中だと思われ、その際脚部は大きく動くので被弾率は低いと想像した為です。

全然詳しくないですが、実際の戦車戦も稜線や障害物を利用して、極力砲塔以外は露出しないように立ち回る「ハルダウン」が原則だと認識しています。



なので戦車は砲塔が俯角何度取れるかは重要なスペックなんですよね。
自衛隊の74式戦車は独特なサスペンション機構を採用し、日本の起伏の激しい地形に追従できる仰俯角を実現していると聞いた事があります。


ゲーム「ワールドオブタンクス」でも俯角が何度取れるかは非常に需要なスペックで、使用車両に合った地形を利用して立ち回る事が非常に重要なテクニックになっています。


MS(特に陸戦型)も原則は正面の上半身が最も重装甲で、射撃の際は遮蔽物や地形の稜線を活用して極力露出面積を減らしていたはずです。
背面や脚部は敵に露出する機会がそもそも少ないわけで、限られた積載重量を消費して背面や脚部に増加装甲を施すのはナンセンスだろうと考えました。
逆に胴体はコックピットや核反応炉がある訳で、とりわけ急所に入念に施されていたという点は人体のプレキャリに近い発想です。

さらに脚部に爆発反応装甲を装着した場合、被弾して爆発するとバランスを大きく崩してしまい、最悪転倒してしまうというデメリットもあるなと妄想しました。
しかも近くに味方歩兵がいたら、爆発した装甲の破片で被害を及ぼす危険性も増すと思いました(これは実際の爆発反応装甲にもあるデメリットのようです)。
そんな感じで妄想し、敢えて背面や脚部には着けていません。
まあジムストライカーは公式設定で普通に脚部にがっつり増加装甲着けているので、あくまで妄想オラ設定です(笑)


腰部フロントアーマーはHGUCジムストライカーの物を流用しています。
形はそっくりで、小加工で付きました。
その他はジムストのデザインに近かったコトブキヤのパネル部品を付けています。

バックパックはノズルが4連となった推進強化型です。


スレイブヴイスと同型の物です。
増加装甲とラージシールドで重装備になっても、瞬発的な機動力が確保できるようしています。
前衛なので敵前線との押し引きが重要で、回り込まれたり側面が突破された場合は素早い後退が必要、逆に追撃する場合は素早い前進が必要になります。

一気に敵との間合いを仕切り直す為に、ある程度の地上障害物を飛び越えられる高度までジャンプできる推力を持っています。
緊急時は爆発反応装甲を自爆させてパージし、シールド及び武装を投棄することで、更に高速で遠距離へのジャンプが可能となり、後方ラインへ緊急離脱します。

武装は連邦陸戦型MSの一般的な武装である100mmマシンガンです。


有効射程は比較的短いですが、ザクをはじめとするジオン製MSの装甲を抜け、対空能力も有す使い勝手の良い武装です。
ビームライフル等よりも単発の威力は小さいですが、装弾数が多く制圧力が高く、故障が少なく信頼性に優れています。
連射力を活かして制圧射撃を行う事で敵の行動を抑え込む事が可能で、交戦距離が近ければ威力、命中精度共に十分で前衛機の役割に合致した武装と言えます。
サバゲでも、電動ガンで自分の隠れている壁に連続で撃ち込まれると怯んでしまいますよね。
ましてや実戦なら当たったら死んでしまうわけですから、「自分の居る所に敵弾が届いている」という心理効果はかなり高いと想像します。

前回記事にしましたが、キット付属の物はトリガーガードが無く許せなかったので、ジムストライカー付属の物を使いました。
前線での経戦能力を高める為、予備弾倉を2個追加で腰部背面に携行しています。


小隊組む用に既に確保してあるキットから強奪してきました。
まあこの辺りは、このブログをご覧になっている方ならすんなり納得いただけるディテールだと思います。

頭部右側面に通信強化アンテナを装備しています。


地上は地形が複雑で電波が届きにくい場合が多くあり、ミノフスキー粒子も通信障害を招きます。
後衛部隊との連携は非常に大切な要素なので、いかなる状況でもコミュニケーションを確保できるよう、通信能力が強化されています。
以前ノーマルジムとして製作したナイトシーカーの余り部品を小加工して付けました。

COMTAC等のヘッドセットのイメージで直感的に人体で言う「耳」の部分に付けましたが、「そこに本当に聴覚機能があるわけではないMSなのに、耳にあたる部分に付ける必然性ってあるのか?」とふと自問自答しました。
「人型なので、人に似せた造りにした方がグロテクスさが無く、すんなり受け入れられるデザイン」と言えるかもしれませんが、それは芸術的な造形美としての観点であって、あくまで実戦兵器として見た場合この位置に付ける合理性は何だろうか?としばし考え込んでしまいました。

そこで思いついたのが「パイロットの直感的、反射的な操作がそのままMSにおいても適切な挙動となるよう、一般的な人体及びその装備に形や機能を近づけている」という観念です。
自分の10倍の大きさもある兵器ですが、極力人体に構造と機能を似せておくことで、例えば近くで爆発が起こった時、生身の時と同じように反射的に掌で頭部を破片から防御すれば視覚やセンサー類、CPU等を保護でき、人体のそれと同じ反応でMSも同様の結果が得られます。
これがもしカメラが肩部にあるとなったら、視覚を保護するためには咄嗟に肩に掌をあてがう必要があり、反射的に出来るようになるには相当な慣れが必要になると考えました。

MSが人型をしている理由はAMBAC姿勢制御故というのが通説ですが、加えて「18mの巨大兵器を人一人の操作で直感的な機動を可能にする為、人型にした」という理由を付け加えると、より説得力が増せそうだなと思いました。

そんな感じで、今回の通信強化アンテナも人体装備で言うヘッドセットのような役割なので、耳にあたる箇所に付けたというこじつけに落ち着きました。
直感的に「耳に付けるのがカッコイイから」の発想が元ですが、結果としては兵器としての必然性もいい感じに設定出来たなと自己満足です(笑)

シールドはガンダムタイプのラージシールドです。


通常の陸戦型の物よりも面積が大きく、防御力は雲泥の差があります。
機体のコンセプトが積極的に攻撃を仕掛け撃破するよりも、前線に張り付き維持するというものなので、このシールドがチョイスされています。
V作戦でジャブローで試作されたこのシールドはガンダムの運用試験用にサイド7へ送られましたが、同時に重力下の運用検証の為に先行量産型MS部隊に回されていた、という想像をしました。
ガンダム劇中では、アムロのガンダムはしょっちゅう盾を破壊されたり捨てたりしては、次の出撃で新品を持って行っていたので、正式採用前からかなりの数が試作されたと想像し、一部が陸戦型MS部隊に支給されていても何らおかしくは無いと想像しました。
RX-78ガンダムの運用データのみならず、このような先行量産型MSの運用データもあり、量産型ジムにはこのタイプのシールドが採用された、と妄想しました。
MS IGLOO重力戦線では、このシールドを持った陸戦型ジムも出てきますよね。




重力戦線全般に言える事なのですが、ジオン連邦双方皆さん頭が悪めです。
なんで戦車とごちゃごちゃになって何の遮蔽物も無い平地をまっすぐ走って突撃しているんでしょうね。。
しかもこの前方にいるのはたしかダブデ級陸上戦艦を主軸にしたジオンの防衛線です。
100mmマシンガンの有効射程に入る前までは煙幕焚くとか、稜線に隠れながら迂回するとか、散開してお互いをカバーし合って進むとか、航空支援と連携するとか、たとえファンタジーではあってもファンタジーなりのロジックで以て「リアルっぽい」戦術描写がほぼ無かったのが非常に残念な作品です。
突撃してくるジムが死角に掘ってあった溝に落ちて、転がっている隙にワッパで爆弾設置して爆破とか、それなりに光る演出もあったはあったのですが。
でもまあ、普通なら突撃の前にディッシュ偵察機とかUAVとかを飛ばして予め敵の陣地構成や布陣は確認しそうなものですが。

ついでですが、1話冒頭の地球侵攻作戦のシーンからあまりに「記号的な軍隊描写」過ぎて閉口します。


こんな開けた土地で装甲車両と並行して歩兵が走っているのも「?」ですし、手前の歩兵は立膝で片手持ちのピストルを何に向かって撃っているんでしょうか。。
昭和の少年誌のグラビアなんかの「大日本帝国陸軍、東亜ニ驀進ス!」的な劇画のような時代錯誤感を感じます...。

あと興味ある方は是非観ていただきたいのですが、HLVが着陸寸前になぜかハイパーヨーヨーのようにビュンビュン飛び回る謎機動を披露します。
それを見た時は首をひねり過ぎてもげるかと思いました。
全体のコンセプトやCGの質感は良い感じなのに、連邦もジオンも小学生並の頭脳の人しかいなくて非常に残念と思う作品です。

話を陸ジムに戻します。
肩アーマーのサイドアーマーも装甲を増設しています。


HGUCジムストライカーから流用し、陸ジムのアーマー側を小加工して取り付けました。
ジムスト同様、腕の開きに合わせて開閉します。

任務によってはガンダムハンマーを装備する事もあります。




08小隊劇中でも06小隊機が装備していましたね。


リーチは短いし隙が大きそうですが、見通しが悪く交戦距離が近く、移動方向の自由が効きづらい市街地戦では案外有用だったかもしれないですね。
劇中でEz8が100mmマシンガンでやっていたように、建物の角で待ち伏せして出てきたところをハンマーでどーん!みたいな感じで。
レアな武器なのでハンマーの挙動を見切れるジオンのパイロットも少なく、意表を突いた一撃必殺が出来たのかもしれませんね。
漫画「バガボンド」を読んだ時に思いましたが、見たことの無い武器と対峙するのは非常にプレッシャーを感じて恐ろしいと思いますから、敵の士気にも影響したかもしれません。
「敵に見たことの無い武器持ったやついるぞ!」と無線が入ったら、絶対行くの嫌になりますよね。

ハンマー欲しさにガンプラスターターセット2を入手しました(苦笑)


ちなみに本体のHGUCガンダムは、ナイトシーカーとミキシングして豪州方面軍所属ジムに変身しました。


このジムに関しては後日記事にしようと思います。

ハンマー自体はチェーン部が金属製でかなり良い質感です。
HGUCではガンダムG30バージョンにしか付属しておらず、現在はスターターキット2としてしか入手できません。
子供の頃だったらパーツ取りの為に1000円払ってキットを買うなんて絶対に出来なかった事なので、大人の財力の素晴らしさを実感しています(笑)

とりあえず前衛機として個人的には納得のいく形でまとめられました。
この調子で中衛、後衛もウンチクを妄想しつつ小改修して製作しようと思っています。
折角なのでホバートラックと61式も用意しないとですね!

最後までお読みいただきありがとうございました。  


2020年11月09日 Posted by 4039  at 18:30Comments(0)ガンプラ