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 Posted by ミリタリーブログ  at 

初期アフミリフォト考察⑤ 5thSFG隊員の腕時計



今までも度々書いていますが、今回もニッチなG-SHOCKの話を書いていこうと思います。
私にとってG-SHOCKはある意味「好き」を超えた次元の存在なので、ミリフォト等で見かけるとつい色々と調べたくなってしまいます。

今回は上記写真に注目しました。
以前も当ブログ記事に書きましたが、作家Robert Young Pelton氏が書いた下記記事に載っており、2001年の5th SFGのODA隊員の写真のようです。
THE LEGEND OF HEAVY D AND THE BOYS

この方の左腕に着いている腕時計に注目しました。


ひと目でG-SHOCKだと推測しました。
G-SHOCKの見分け方ですが、私はまずバンドの付け根に注目しています。
G-SHOCKのバンドは多くのモデルが付け根が「ウネウネ」しています。



これは飾りではなく、ちゃんと機能を果たす構造だそうです(ハッタリかもしれませんが 笑)。
G-SHOCKの多くのモデルはウレタン樹脂で覆われていますが、裏蓋はステンレスが丸出しです。
裏蓋部にモロに衝撃が加わるとモジュールが破壊してしまいます。
なので裏蓋側から落下した場合は、バンドが踏ん張ることで本体への衝撃を和らげる役目を果たします。
落下による衝撃を効率的に吸収しつつ、なおかつ腕へのフィット性を確保する構造がこの「ウネウネ」だとどこかで聞いた記憶があります。

ただ、腕時計は一般的な工業製品と違いデザイン優先の嗜好品という側面が強いので、実際は効果云々よりも「ゴテゴテしてた方がカッコいいじゃん」的なノリでデザインされた可能性も高そうですが(苦笑)

その製品の持っている「機能美」がそのまま「価値」の大きな一端となる点において、私は腕時計や銃器、装備品、キャンプ用品等の「ギア」に魅力を感じます。

ただ、最近のG-SHOCKは「機能美」を誇張するための「機能には直接関係のない装飾」や「無駄にオーバーな構造」が多く個人的にはあまり好きになれません。

しかし先述した通り、腕時計は嗜好品の側面が強く装飾も価値向上に繋がるので、「腕時計作り」としては間違いでは無いとは思います。
あくまで私個人としては「質実剛健」なシンプルなデザインの昔のG-SHOCKの方が好みです。
なので、昨今古いモデルがリバイバルされてきているのは非常に嬉しい限りです。

DW-5750


DW-5900


この調子でばんばんリバイバルを続けて欲しいですね!
また、古いモデルをフルメタル化するという新しいシリーズも展開されています。

GMW-B5000


世界的に売れ筋のようですので、この調子で6900系等、他の人気モデルもメタル化していくかもしれませんね。

...かなり脱線してしまいましたので、そろそろ軌道修正します。
G-SHOCKの判別方法として、バンドの「ウネウネ」が分かり易いという話でしたね。
この他に「フロントボタン」も見分ける大きなポイントだと思います。


全てのモデルではありませんが、このように前面に大型ボタンが配置されているデザインはG-SHOCKのアイコンといえます。
あとは郡を抜いて分厚いデザインだったり、特徴的な液晶の形状をしている場合が多いので、そのあたりを総合的にみて判断します。

以上を踏まえた上で、今回の写真を見てみます。



バンドのウネウネとベゼルに入った赤い色埋め刻印が、いかにもG-SHOCKらしいと判断できますね。


そうとなれば、星の数ほどあるG-SHOCKのモデルの中から絞り込んでいきます。
以前紹介したことがあるのですが、「G-SHOCK PERFECT SEARCH」という(日本発売モデルのみですが)歴代モデルを網羅したCASIO公式サイトがあったのですが、いつのまにか閉鎖していました。

その代わり、現在はG-SHOCK公式サイトの「製品検索」で同様の閲覧が可能です。
https://g-shock.jp/

古いモデルを検索する際は、検索画面の右上にある「生産終了モデルを含む」にチェックを入れる必要があるので注意です。



このサイトを駆使し、この写真の隊員が身に着けているG-SHOCKは下写真の物だと推測しました。


DW-8700という1996年8月に発売されたモデルです。
海外でも発売されています。下写真が証拠になりますね。
(北米で発売されていたという証拠にはなりませんが。)



知っている方も多いと思いますが、日本向けと海外向けで簡単に判別できるポイントは「防水表記」です。
日本向けは「BAR」表記、海外向けは「M」表記です。
20気圧防水なので「20BAR」「200M」ですね。
機能は一緒です。日本時計協会だかの推奨規格表記とISOだかの推奨規格表記の差という認識です。
なので、アメリカ軍等の軍装をする際は腕時計の防水表記は「M」の物にすると拘りが魅せられると思います。
まあ「日本旅行した際にお土産に買った腕時計」や「非正規輸入品を買った」という妄想をしてしまえば問題なしですが(笑)

写真と特徴を照合していきましょう。
まず、バンドのウネウネとボタン周りの2個の突起形状が一致しますね。


そしてベゼルの上下にある赤い色埋め刻印、文字板上下にある印刷も読めはしませんが形状と色が一致します。


そして特徴的な液晶形状が決め手です。


DW-8700は上部の「くの字」の窓と中央の小窓、下部半分の長方形の窓に分かれています。


写真も同じ特徴であることがわかります。
注意したいのは、隊員の腕の向きを考えると写真のG-SHOCKは下が12時側、上が6時側なので、製品画像とは逆転しているという点です。
最初この事に気付かず上下逆転したデザインで認識していた為、特定するまで時間が掛かってしまいました。

以上の特徴分析から、型はDW-8700だと推測しました。
色番ですが、DW-8700で黒いベゼル&バンドで赤い刻印のモデルはDW-8700-1しかないはずです。
発売時期も1996年なので2001年当時現役どんぴしゃですし、この時期に似たような形状のモデルも見当たらないので、個人的にはDW-8700だと確信しています。

調べてみると、国内オークションサイトでも結構玉数がありましたが、当たり前ですがどれも「20BAR」表記です。
イーベイでは200M表記の物が出ていましたので、20年前のウレタン樹脂の加水分解の恐怖を厭わない勇者の方、いかがでしょうか。
私は大人しくリバイバルされる日を祈りながら待っていようと思います(笑)

初期アフ装備を志す際、実物BALCSや貴重なチェストリグ等の大物ギアは結構な値が張り、二の足を踏んでしまう方もおられると思います。
かといってトイソルBALCSや56式弾帯等の、安価な鉄板アイテムばかりで構成すると教科書通りになりすぎて「個性的なのがウリ」であるはずの初期アフ装備なのにも係わらず、「無個性」に陥りがちです。

そこで、腕時計や靴、装備に付けるカラビナやミニライト、旧型のGPS等の「拘りの小物」をさりげなく身に付ける事で、一見して安価でオーソドックスな構成であっても、見る人を唸らせる「味のある初期アフ装備」に仕上がると私は思っています。

そんな風に考えてるから、こんな誰が読んでくれるか分からないニッチな記事ばかりになってしまうんですかね(笑)
お読みいただきありがとうございました。