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 Posted by ミリタリーブログ  at 

ニセニクス



先日、大学時代の友人の結婚式にオンライン参列しました。
本来は昨年開催予定だったのですが1年延期し、未だ収束はしていませんが感染対策をした上での開催となりました。

式場側もこの1年でインフラとノウハウを構築したようで、オンライン参列者も新郎新婦はじめ会場の方々としっかり絡める仕掛けが多数あり、予想外に楽しめました。
実際にオンライン参列してみて、コロナ後も健康的、物理的にリアル参列が難しい人向けにオンライン参列が一般的になってくるかもと思いました。

今回悩んだのは、まだ「オンライン参列の常識」が確立されていない故、服装やご祝儀をどうするかでした。
私はとりあえず襟付きのシャツ(下は寝巻き笑)で参加しましたが、男性はスーツにネクタイ、女性はドレスを着て髪もしっかりセットされている方が8割方でした。
思いっきり生活感のある部屋で正装されている映像は結構シュールでした(笑)
ご祝儀は気を遣われない程度にリアル参列よりは金額を減らして渡すべきと思いましたが、無機質にオンラインで送金するのもなんだかなあと思い、次リアルに会った時にちゃんと祝儀袋に入れて手渡ししようかなと思っています。
このあたりは今後一般的になってきたら、徐々に「常識」が形成されていくんでしょうかね。

コロナ渦になっていなかったらオンライン形式は存在せず完全に不参加になっていたと思うので、まさに不幸中の幸いでした。
悪い事ばかりの昨今ですが、ささやかでもプラスの面に目を向けていきたいですね。
いずれにせよ、なかなか貴重な経験をさせてくれた友人には感謝です。

では、本題に入ります。
以前の記事で、Mechanixオリジナルのコピー品を「ニセニクス」と称し紹介しました。


前回の物は一目でニセニクス判定出来ましたが、今回、より精巧なニセニクスを入手したので記事にしておきます。

ここは言わずと知れたコピー大国、もしかしたらと思い通販サイトで検索してみると、わんさか出てきました。


試しにどんなもんだと入手してみました。


価格はなんと送料無料で400円程度です(笑)
本物のオリジナルはこちらでも日本の相場と同じくらいで4000円前後しますので、約10分の1ですね。

届いたパッケージは写真撮り忘れましたが、ただの透明なチャック袋に入っていただけでした。
怪しさ満点ですね(笑)
手首の樹脂タグを見る限り、09年あたりに登場した仕様を模しているようですね。

(記憶が曖昧ですが本物は「THE ORIGINAL」の横に白文字で「TM」は入っていなかったような?気がします。)

他のコピー品と思われる数百円レベルの商品も全てこの09年仕様しか存在しませんでした。
なぜこの仕様を選んだのかは不明です。
自然に考えれば当時最新の仕様をコピーしたと思うので、もう10年前後この仕様で作られ続けているのかもしれませんね。
仕様の変遷については以前何度かに渡って詳細考察しています。
Mechanix ORIGINALマイナーチェンジ変遷まとめ
Mechanixグローブ 追加考察など

パッと見は、本物を触った事がある人でも本物にしか見えないと思います。
よく見ると明らかにおかしいポイントは手の甲の「Mechanix」のロゴ印刷です。




全体的に縁が滲んでおり、®にいたっては完全に穴が埋まっています。
また、上の列の小さい「GLOVES」と下の列の「Mechanix」が被ってしまっている箇所もあります。
これは実物ではありえない外観不良だと思います。
この印刷はかなりノウハウが詰まっており、簡単には真似できないのかもしれないですね。

実物


内側のタグはちゃんと再現しています。


タグに関しては文言は本物をそのままコピーして、そこいらの汎用印刷機で簡単に精巧に出来てしまうと思います。
私のようにMechanixオリジナルの年代考察をしている人間にとっては非常にいい迷惑です。
仮にネットでこの画像だけアップで見つけても、真贋判定は不可能ですからね。。

この仕様の実物を触った事が無いのでなんとも言えませんが、手首のマジックテープ部の造りが粗い気がします。


本物自体もそこまで褒められたものではないですが、部分的に縫製がかなり雑で、末端処理が甘く糸が飛び出ている箇所もいくつかありました。

ただ、着け心地自体は本家と遜色なしです。
耐久性は不明ですが、材質も本家とほぼ変わらないように思います(本家も決して高級な生地では無いと思いますしね)。
指横のベンチレーション穴もご丁寧に空けられています。


仕様年代を考えると可能性は低いですが、本物の工場で品質検査で弾かれた不良品を横流ししたか、廃棄された不良品を回収して売りさばいている可能性もあるかもしれませんね。
一時期大量に横流しして、その在庫がまだ市場に残っている的な。
味は問題無くても形のおかしい野菜や果物が弾かれるのと同じように、実用上は問題無くても外観が一定の基準を満たしていなければ破棄されるのはこのグローブでも同じ話のはずです。

普通はそういう不良品は悪用されないように破壊して破棄するのがどのメーカーも常識だと思いますが、関係者何人かがグルになって悪い事を考えれば、何とでもなってしまうでしょうからね。
無論真偽不明の私の想像でしかありませんが、少なくともちょっとそう思ってしまうくらい、今回入手したモノは完成度が高いと言えます。
少なくともサバゲ程度の使い方であれば十分機能するレベルだと思います。

我々装備好きにとって、所謂「レプリカ」とは切っても切れない縁がありますよね。
コピー品を実物と偽って売るのは完全に詐欺ですが、例え「レプリカ」と公言して売っていても、厳密に言えば黒なパターンが多いと思います。
ただ、それによって夢が叶う(実物はレア過ぎて手に入らない等)同志がいるのも事実ですので、複雑な気持ちではあります。
詭弁かもしれませんが、レプリカの存在でそのメーカーの知名度が上がる事も往々にしてあると思うので、決して害だけではないのが実際のところなのかもとも少し思います。
まあいくら言い訳をしても、自分の欲を満たす為にレプリカを買う事で、(法的に)ズルをしている人を儲けさせてしまっているという自覚は忘れてはいけないと思います。
今流行りの、悪質な転売商品に手を出すかどうか?にも感覚的には少し近い話かもしれませんね(転売行為は特に違法性は無いとは思いますが)。

ひと昔前に比べればだいぶ市民権を得てきた趣味だとは思いますが、「人殺しの真似事」だと不快に思う方が一定数は存在し、更にこういう後ろめたい事情もある界隈ですので、あまりメディア露出等で脚光を浴び過ぎないでほしいというのが個人的な気持ちです(苦笑)
うっすら日陰にいるからこそ見えない、見ようとされないから平和に過ごせている部分が多くあるはずですからね。

自分の趣味を誇りに思って世間に発信することは大賛成ですし、私自身もそうしていますが、他人からどう見られるか?は、どんな趣味であっても常に頭の片隅に置いておかなくてはいけないなと思います。
かといって最近よく聞く「誰も傷つけない〇〇」という枕詞のコンテンツもまた極端というか、人間ある程度毒気に晒されないと逆に生の悦びを感じられないんじゃないかとも思いますが。
ゼロイチで判断できない事ばかりのこの世の中、何事も「塩梅」「程度」「バランス」が殊の外大事だなと思う今日この頃です。

お読みいただきありがとうございました。  


2021年06月19日 Posted by 4039  at 12:19Comments(0)装備グローブ