TCA PRC-148可動レプリカ 受信専用加工 ファイナル

TCA PRC-148可動レプリカ 受信専用加工 ファイナル

「MY G-SHOCK」という、カシオ公式のカスタムG-SHOCKのサービスが始まるようですね。
https://gshock.casio.com/jp/products/mygshock/
TCA PRC-148可動レプリカ 受信専用加工 ファイナル

ベゼル、バンド、ガラス等を自分の好きなように組み合わせて、「自分だけのG-SHOCK」を作れるサービスです。
結構前からNIKEがやっていたり、近年ではNew Balanceもやっていたと思うので、アイデアとして真新しさは特に感じませんが、G-SHOCKで出来るようになるのは素直に嬉しいです。
まだ注文はできませんが、既にWebサイトでカスタマイズ操作ができ、綺麗なCGで着せ替えできるので遊んでいるだけでも結構面白いです。
TCA PRC-148可動レプリカ 受信専用加工 ファイナル

公式サイトでは190万通りとしていますが、3連遊環の色もそれぞれ選べ、その組み合わせまで含めると6億超通りの組み合わせがあるらしいです(笑)
現状は日本国内配送のみの対応で通常3~5週間で届くらしいですが、生産キャパは1000本/月程度を見込んでいるようで、ローンチ直後は注文が集中して数か月待たされるかもしれませんね。
このサービス限定のカラーも存在し、ローンチでは90年代に発売したモデルの復刻カラーが登場するそうです。
TCA PRC-148可動レプリカ 受信専用加工 ファイナル

初期アフ米軍装備的にはちょっと惹かれましたが、防水表記が日本仕様の「BAR」なのでいらないですね。
(米軍装備的にはBARではなく、欧米仕様のm表記の方が自然と言えます)
まあ各色限定500本のようなのでどうせ転売ヤーが一瞬で買占め、メルカリ等でバカみたいな転売価格で出回るんでしょうね...。
今後もMY G-SHOCK限定のカラー展開は続くと思うので、G-SHOCK好きは要チェックですね。

では本題に入ります。
無線の事について書いてありますが、ド素人が無様に藻掻いた様を綴った記録です。
なのでほんの少しでも無線関係の知識をお持ちの方にとってはハナクソ以下の事しか書かれていませんので、これ以上読み進めても得る物は何もないので悪しからずです。

前回、前々回とTCA製PRC-148可動レプリカの送信機能オミットについて書いてきましたが、今回さらに加工を加え、ひとまず完了としましたのでまとめておこうと思います。
TCA PRC-148可動レプリカ 受信専用加工 ファイナル

過去記事
TCA PRC-148可動レプリカ
TCA PRC-148可動レプリカ 受信専用加工続き

今までの記事でもしつこく書いていますが、日本には電波法という法律があり、免許が無い、または免許があっても認証されていない無線機から電波を発射すると違法となります。
また発射せずとも、「容易に発射できる状態」で所持していても違法性が問われる場合があります。
この「容易に発射出来る状態」というのは曖昧な表現で、具体的にどういう状態を言うのか?の定義はありません。
なのでグレーな部分が非常に多い分野だと思われます。

今回のTCA製や、TRI製、FCS製等のPRC148/152可動レプリカ達は勿論日本で認証を通っておらず、そのまま使うとたちまち違法です。
「所持していても電源を付けなければOK」というのが通説というか建前としてまかり通っている印象ですが、バッテリーを繋げた状態で公共の場(サバゲ場等)に持ち出したりすると、たとえ一度も電源を入れていなくても、通報等されて警察官が来て検閲されたら検挙される可能性が十分あると思います。
その時来るのがいじわる職務勤勉な警察官なのか、余計な仕事をしたくない寛大な警察官なのかで判断は変わると思いますが。
ちなみにですが、免許を持っていなくて認証も通っていない無線機がアマゾン等で普通に売っていますが、販売業者が逮捕されたという話は聞いたことがありませんよね。
多くの業者は売れるまで倉庫等にその無線機を在庫している、つまり所有している訳ですが、これについてはトライスさんのブログに下記のような言及がありました。
「売ってるんだから大丈夫だと思い込んでしまいますが
脱法ハーブ同様、販売に関しての規制がありません。
何故かというと、電池を外した状態で、
触れる事が出来ないパッケージされている時点では
電波を発射する事の出来ない、ただの機械部品としての扱いだからです。」

いずれにしても、個人が電源を入れて自由に遊ぶ為には完全に送信できなくする必要があります。
この「送信できない」というのがどういう状態か?も明確な基準がありませんので、自己判断するしかないのが難しい所ですね。
前回までで私はこの「送信できなくする」為の加工として下記を実施しました。

PTT不能化加工
・本体PTTスイッチのコネクタを外す
・6ピンコネクタのPTT配線を切断

VOX機能(音声を検出し、自動で送信する機能)不能化加工
・本体のマイク配線を断線
・6ピンコネクタのマイク配線を切断

もしかしたらこれでも十分なのかもしれませんが、誤作動をしたり、設計仕様上「実はこのボタンとこのボタンを同時押しすると送信動作をしてしまう」みたいな、一定の条件下で意図せず電波が発射されてしまう可能性は捨てきれません。
法律違反は「想定していなかった」では済まされませんからね(もちろん取り調べる側も気づかなければセーフですが、あまり良い考え方とは思えません)。
また、本体PTTはネジを外して筐体を開け、コネクタを繋げれば復旧しますし、配線もちょちょっと半田付け等で繋げれば復旧可能です。
なので、まだこの程度の加工では場合によっては違法と判断されてしまう可能性がゼロではないと考えました。

ここで他の無線機の話ですが、前回少し書いた中国Baofeng社のUV5Rという無線機を認証に通す場合、PCに繋げて発射出来る周波数をソフトで適応範囲に書き替え、再度書き換え出来ないようにPCとの接続部をボンドで埋める等で物理的に破壊すれば実際に認証通っているようです。
TCA PRC-148可動レプリカ 受信専用加工 ファイナル

ここから、「工具等を使って、基盤上の一部部品を交換しないと復旧できない」というレベルまで持っていけば「送信できない」と胸を張って言えると考えました。

そうと決まればまた内臓に出てきてもらいます。
TCA PRC-148可動レプリカ 受信専用加工 ファイナル

既に何度か分解しているので、スルスルとここまで行けるようになりました。
今回は裏蓋側の基盤の裏側に用事があるので、裏蓋に固定されているビスを外し、基盤の裏側を確認しました。
TCA PRC-148可動レプリカ 受信専用加工 ファイナル

固定ビスが18本もあり明らかに過剰だと思うのですが、普通の無線機もこんな感じなんですかね?
どういう設計思想なのか皆目見当もつきませんが、部分的に少しでも浮いたら(裏蓋との導通が途切れたら)不具合があるのでしょうか。

無線機は完全に素人なので手探りですが、まずは「電波を出す根源を破壊すれば、当然送信出来なくなるだろう」と考えました。
電波の根源は「水晶発振器」なるモノのようです。
TCA PRC-148可動レプリカ 受信専用加工 ファイナル

詳しい原理はさっぱりですが、電圧を掛けると固有の振動数で発振するそうです。
身近なところでは上記のG-SHOCKみたいなクオーツ時計にも水晶振動子が入っていますよね。
同じく電波を利用するパソコンやスマホにもたくさん入ってるんでしょうね。
この水晶発振器で発せられた「電波の種」みたいなものを回路上で増幅して最終的にアンテナに乗せて放出する事を「送信」と言うイメージで合ってるんですかね?
水晶発振器がどんなものかを目に焼き付けた上で基盤を見ていくと、どうやら右下にいる赤丸で囲んだヤツがこの148の発振器のようです。
TCA PRC-148可動レプリカ 受信専用加工 ファイナル

早速こやつを叩き割ろうと思ったのですが、少し冷静になり再考しました。
きっと受信する時にも周波数の検知は必要なはずで、基盤を隅から隅まで見渡しても発振器らしきモノはこれ一個です。
もしこれが送信にも受信にも必要な部品だとすると、破壊すると送信だけでなく受信も出来なくなってしまいます。
一応無線機の受信回路図を調べてみましたが、確証は全くありませんがやはり回路内に発振器は必要なようです。
TCA PRC-148可動レプリカ 受信専用加工 ファイナル

受信機能は無くしたくないので、この部品に下手に手を出すのはやめておきました。

その後も色々と無線機関係のブログ等を拝見していたところ「ファイナルトランジスタ」なる物が故障すると発信が出来なくなるようです。
トランジスタは発振器で発振された電波を増幅する部品で、通常は何段階かに分けて増幅され、最後に増幅する為の部品がファイナルトランジスタのようです。
他のハンディ無線機で実際にこの部品を破壊して受信専用に加工している実例も見つかり、色々な無線機の基盤写真と見比べながら、この148のファイナルトランジスタは基盤中央ちょい上にいる2個の黒い部品であると判断しました。
TCA PRC-148可動レプリカ 受信専用加工 ファイナル

部品の形状、基盤上の他部品との繋がりや、他の無線機のファイナルトランジスタ同様に裏側に放熱用クッションがあったのが判断材料です。
ちなみにこの部品にレーザー刻印が入っていたのですが、ネットで調べても情報が得られませんでした。
刻印を検索して製品が特定できれば安心できたのですが。
この148はUHFとVHFに対応しているので、対の形で2個配置されているのも合点がいきました。
後戻りできないですが、「最悪ドンガラになってもいいや!」と勇気一発、ペンチでもぎ取りました。
TCA PRC-148可動レプリカ 受信専用加工 ファイナル

これでもうこの148は「受信機」もしくは、受信機能まで死んでいれば「ただの文鎮(笑)」と呼んでも差し支えないはずです。
ただ、トランジスタは「電波を増幅する装置」なので、今の状態でも基盤が何らかの要因で発信動作を起こした場合、水晶発振器は発振をするはずなので、微弱ですが厳密に言えば電波を発射しているという事になります。
この辺りもどう解釈すればいいか悩みますが、ネットを色々見る限り「PTTを殺せば受信機として認められる」という認識が一般的なようなのでこの処理自体保険のような位置づけと考えればいいかもしれません。
逆に変に壊したので回路が誤作動して電波を出してしまうというオチもあるかもですが(苦笑)

本体PTTの処理は一工夫加えました。
本体側面のPTTスイッチ部のネジを外すと、パネルとボタンが簡単に外せました。
TCA PRC-148可動レプリカ 受信専用加工 ファイナル

どの箇所もそうですが、変に接着や嵌め殺しをしている箇所は無く、非常に素直に作られている感じで好印象です。
PTTスイッチの基盤から、接点であるドーム板をナイフでこそぎ落としました。
(上の写真は既にドーム板を取り除いてあります)
TCA PRC-148可動レプリカ 受信専用加工 ファイナル

透明なフィルムでラミネートされているだけなので、カッター等でフィルムをカットすれば簡単に破壊できました。
前回行った側面スイッチ基盤ごと断線させると、PTTの上下にいる3つのボタンも全て不能になってしまうのが少し不満でした。
不能でも運用上ほぼ不都合はありませんが、こういうのは雰囲気モノですので、ボタンを押したらちゃんと反応して欲しいのが男心というものですよね(笑)
今回の加工を行った事で、PTTスイッチを基盤から完全に破壊し、かつ他のスイッチはライブになるので一石二鳥でした。

組み直すついでに電源は通電可能に復旧しました。
これで流石に電源を入れても「容易に電波を発射できる状態」とはみなされないと判断した為です。

完全に不安がゼロではありませんが、PTT、及びマイクは切断してあり、一般的にはこの処置だけでOKのようですので、大丈夫と判断します。
むしろネットではVOXが付いている機種であってもPTTスイッチを殺すだけで「受信専用化」と謳っている場合が多く、それに対して突っ込みが入っている様子も見かけません。

ここまで色々と細々書いてきましたが、読まれた方の中には「こんなことまでしなくて大丈夫だろ。こいつビビり過ぎ。」とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。
正直な話、こうやってネットに載せずに一人で家でコソコソ遊ぶだけなら、ここまでしなくても全然大丈夫だと私も思います。
生まれてから一度も赤信号を渡った事が無い、特別な標識が無い2m以下の歩道を自転車で通った事が無い、車で法定速度を1km/sも上回った事が無い成人は皆無だと思います。
「別に誰にも迷惑かけてないからいいでしょ」「そんなルール知らなかった」「標識見過ごしてた」といった風に、「ナチュラルな違法行為」は世では茶飯事と言えるでしょうし、それをいちいち咎める風潮は全国どこを探しても見つからないと思います。
今回言及している電波法においても、例えばこの148を買って来てすぐ電源付けて、家の中で特小無線の周波数に合わせて受発信していても、誰かに迷惑をかける事もバレる事も無いと思います(イケナイ周波数で電波飛ばしてたら警察にバレますが)。

なので、見方によっては今回私のやっている事は「考え過ぎ」なのかもしれません。
「ここまでしなくちゃ実動PRC持てないのか...」と尻込みをする必要はないと思います。
ただ、こうしてネットに載せる以上は中途半端な事は出来ないですよね。
私をリアルで知る方々もこのブログに目を通してくださいますし、たとえその気が無くとも堂々と法律を犯している事を公にするのは、法規上も倫理的にも悪い事だと思います。

「ならそこまでしてブログ記事にしなきゃいいじゃん」と自問する時もあるにはありますが、私は他の方のブログやSNS投稿から沢山の情報や知識を授けてもらい、日々の楽しみを与えてもらっています。
貰ってばっかりじゃ悪いと思うのが人情というか、構成員が能動的に作用しあった方が、社会も、組織も、趣味の輪も、効率的に高度に発展していくものだと考えています。
大好きなミリタリー趣味業界の健全な発展を願い、ブログという形で微力ながら何か貢献できればと思う心が、4年半記事を書き続けているモチベーションの一端を担っています。
無論「俺こんなコト知ってるんだぜ!こんなすごいモノ持ってるんだぜ!どうよ!」と、電脳の海の中から地球に向かってドヤ顔したい欲望も一端を担っています(笑)
清廉潔白からは程遠いうすら汚れた人間が書いている駄文の山ですが(笑)、これからもたまには当ブログに遊びに来て何かしら持ち帰ってくれれば幸いです。

お読みいただきありがとうございました。




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2021年10月18日 Posted by 4039  at 18:33 │Comments(2)装備無線機

この記事へのコメント
こんにちは。
こちらのレプリカとても気になっていたので紹介いただけて助かります。
私は何故かアマチュア無線の免許を所持しているので上手く行けば使えたりしないかなと思っていましたが、書かれている認証や特小との交信が可能かどうかなどいろいろと肥えなければいけないハードルが多そうですね。
個人的にはリエナクトなどで部隊の無線手と本部との交信にはデジタル簡易無線を使用し、部隊内は特小という運用をしたらさぞ面白かろうなと妄想しては要るのですが…。
Posted by 山口県の映画好き山口県の映画好き at 2021年10月19日 10:24
お世話になります。
免許お持ちなんですね!
おそらくこの無線機を認証通す為には、最低限でも下記が必要?ぽいです。
1.適合範囲の周波数、出力しか出せない仕様にする(PCに繋いでソフトでROM書き換え)
2.再度書き換えできないよう、PCとのアクセスポートを破壊(ボンドで埋める等)
3.回路図の提出
他にもまだまだあるかもですが。

記事中でも出していますが、UV-5Rのような人気機種は認証の通し方の詳細や回路図等の情報がネットにゴロゴロしていますし、認証機関側も慣れていると思うので比較的容易そうですが、PRCレプは全然研究が進んでいないようで情報が皆無です。。
1.と2.はPCコネクタ&制御ソフトらしき物は売っているのを見つけたので何とかなるかも?ですが、回路図は素人の私には太刀打ちできそうにありません...。
PCAに問い合わせて出しもらうか、有識者に協力を請わないと実現できそうにないです。

某ショップがTRIの152を特小として一旦技適通して売ったけど、実は条件不十分(アンテナ付け替え可能が原因?)で後日却下され回収騒ぎみたいな事もあったようなので、そういう事もありミリ界隈では実動PRCレプは一際デリケートな存在になっている印象があります。

どのPRCレプも特小の周波数はカバーしているはずなので、認証さえ通れば普通に特小とは交信できると思うので、なんとも惜しい存在ですね。
私はとりあえず「特小受信専用機」としてサバゲで使ってみたいなと思っています。
Posted by 40394039 at 2021年10月19日 11:46
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