初期アフバックパック UM21 PART2
日本の皆様は正月ボケを引きずっている頃かと思いますが、こちらは旧正月休み前の年末でソワソワしている真っ最中です。
例年であれば2週間ほど長期休暇を取って日本に帰って、とても有意義な休みを過ごせるのですが、今年は勿論こちらに缶詰です。
日本でもニュースになっていますが、中国でも各地でオミクロン株が猛威を振るい始めており、市、鎮単位でロックダウンが相次いでいます。
ロックダウンまでいかなくとも、市を超えるのにPCR検査や14日間隔離が必要になる場所も多く、国全体として春節の民族大移動を抑制する動きを取っているようです(昨年も同じでしたが)。
私が赴任している会社の現地社員達の多くも、まだ田舎に帰省するかどうか決めあぐねている様子です。
せいぜい市内しか移動できない状態での10日間の休み、何をしようか悩み中です。
多分毎日映画見てゲームして、テレビ見ながら酒飲んでガンプラ作ってを繰り返して終わりだと思いますが(笑)
前回記事から少し間が空いてしまいましたが、先日入手した初期アフバックパックUM21の事を書いていこうと思います。
前回はたらたら書いていたら長くなり、周辺情報だけで終了しました(苦笑)
「初期アフバックパック UM21 PART1」
ようやく本体詳細について書いていきます。
メインパックは現在日本の実家に梱包状態で待機中なので、日本に帰れた際に書こうと思います。
今回はパトロールパックとブットパックについて書いておきます。
まずはパトロールパックです。
容量は32リットルのようで、所謂デイパックの類に入るサイズ感です。
ただ、後述しますが構造的に同じ容量の他のバックパックより入る荷物が限られ、無線機やノートPCを運ぶ事に最適化されている印象があります。
たまに「ラジオキャリア」と呼ばれていたりもします。
どこかの掲示板かブログで読んだ記憶では、輸送機からのパラシュート降下の際に背負えるような設計なのだとか。
確かに容量の割には超いかつい肩腰ストラップ、異様な数のストラップが装備されているように感じますので、パラシュート降下のような特殊な環境でも問題なく背負え、中身に異常を来たさないような設計なのかもしれません。
逆に言えば普段の街使いや軽い登山等では全く必要のない性能が含まれている、非常に特殊なバックパックと言えそうです。
ちなみにファステックスは02年製でした。
内側のラベルの数字を見てみると「0204」とあります。
この数字ですが一説では前2桁が西暦下2桁、後ろ2桁が月を表しているそうです。
それでいくとこの個体は02年4月製造となりますね。
ファステックスの製造年との辻褄は合っています。
上記の説の見方で明らかにおかしい数字構成(0013)は見たことが無いので、今のところ私の中ではこの説を覆す情報はありません。
ちなみにメインパック、ブットパックにも同様のタグがあります。
もし西暦+月で矛盾する表記を見つけられた際は、ご一報いただけると嬉しいです。
コンプレッション兼座布団シートが外見上最大の特徴ですね。
私が手に入れた個体はこのシートのMOLLEが一部切断され、更に裏側は塗装?されていました。
このシートは取り外し可能なので、いつか損傷の無いシートを手に入れられたら交換しようと思います。
メインパックと共用ならありがたいのですが。
個人的には外した状態の方がカッコイイと思います。
このシートと本体は5個のファステックス付きストラップによって留められます。
ファステックスを解除しないと本体のファスナーが開けられないので、中身にアクセスする為にはまずファステックスを全て外してシートを外さないといけません。
更にシートと本体の間に何か荷物を挟んでいたらパックを開けて中身を取り出すのは一苦労です。
行軍しながらちょっと中身を、という動作には全く以て向いていません。
シートを装着していない使用例も度々見かけますので、使いづらいと思った隊員も多かったのかもしれませんね。
SEALsのようですが、この隊員はシートを外し、固定するストラップも切り取ってしまっています。
シート使う気完全にゼロということですね(笑)
次に中身を開いてみます。
前後2室に分かれており、後ろ側はポケットとゴムバンドが縫い付けられ、上部にフックがあります。
内側のウレタンコートは臭い、ベタつき等なく状態の良い個体でした。
ちなみに各ストラップをまとめる為のゴムバンドも全数残っており、ちゃんと伸縮性があります。
この手のゴムバンドは無くなっていたりダルダルに伸びきっている事が多いイメージなので、かなりテンション上がりました。
シートが一部切れていたり汚れていたので正直期待していなかったのですが、現物確認したら全体的にかなり綺麗で嬉しい誤算でした。
UM21は生産期間が短く、おそらく最後期の物でも2004年製だと思われます。
どの個体も製造から20年前後経っており、使用、保管状態によってコンディションが大きく違うので入手検討の際には注意が必要だと思います。
前側の部屋には防水素材の仕切りが付いたポケットがあります。
硬めの緩衝材が入っており、外からの衝撃から中身を保護するような構造です。
ちょうど当時のノートPCがすっぽり入るような大きさです。
PRC-148も入ります。
上部にはアンテナ(ないしハイドレーションホース)を出す為のホールも備えられています。
ちなみにこのホールにペットボトルで水をぶっかけてみましたが、中に浸水はしませんでした。
流石に潜水したらダメだと思いますが、ある程度の降水量なら問題なさそうですね。
ただ実際にノートPCやタブレットを入れて使う際は、上からダクトテープを貼った方が無難そうですね。
ホールが映っているわけではないので推測になりますが、おそらく下記はパトロールパックの中にPRC-148が入っており、アンテナとH-250ハンドセットの配線をホールから出していると思われます。
ポケットの更に内側にも薄いものが収納できます。
天面ホールは2つあるので、1ポケットに無線機、もう1ポケットにハイドレーションを入れ、アンテナとPTT配線、ホースをそれぞれのホールから出すという運用想定なのかもですね。
万が一ハイドレーションから水漏れしても、防水仕切りのおかげでパックの中で電子機器が濡れるのを防げます。
反対側にはファステックス式のストラップで内容物がばたつかないよう固定できるようになっています。
この辺りも降下等の激しい行動下での使用を考慮したものなのでしょうか。
このポケットは取り外し可能ですが、脱着部が奥まっていて分かりづらいのでよく「外せない」と言及されている情報を見かけます。
本当に外せない仕様もあったのかも?しれないですが。
2室ともマチが少なく、容量の割に物が入りません。
PRC-148と予備バッテリー等の備品、ハイドレーション、糧食、携帯工具、予備弾薬を詰めたら一杯になりそうです。
日帰り程度の任務であれば十分だったのでしょうか。
中身を詰めて長距離歩いた訳では無いので何とも言えませんが、背負い心地は悪くなくしっかり体に密着保持できるので、徒歩で行動する際キャメルバック等では容量が足りない場合に使われていたのかな?と思いました。
薄さも相まって不意の戦闘になってもひどく邪魔にはならなさそうではあります。
ウエストストラップは取り外し可能です。
ELCSの上から背負う場合はベルトと干渉するので、外せるようになっているのでしょう。
初見では外せない物だと思ってました。
ネットで「取り外し可能」という情報を見て、よく観察したら外せる箇所に気づきましたが、SPEAR特有の死ぬ程硬いMOLLEストラップで、取り外す時に指が千切れるかと思いました。
たまに放出品を扱うファッション店のHP等でこのパックを紹介していて「腰ストラップは着脱不可」と書いてあったりしますが、あまり軍装品に詳しくない人が見たらそう思うのも無理もないと思います。
ネットにUM21の説明書が転がっていたので読みましたが、上記のポケットや腰ストラップの脱着方法の説明は書いてないようです。
斜め読みなのでもしかしたらサラッと書いてあるのを見逃したかもですが、少なくとも写真やイラスト付きでの説明はありませんでした。
まともな説明書も無く複雑な構造なので、まだ他にも私が知らない機能が沢山あるかもしれません。
SPEARフリースにBALCSとELCSを着込んだ状態でも問題無く背負えるようにする為か、各種ストラップは異常に長めです。
この辺り、いかにも軍用な感じで嫌いじゃないです。
正直バックパックとしての汎用性は低いとは思いますが、実際にアフガニスタンで行動していた特殊部隊が背負っていたので、一定の使い出はあったのではないかなと思います。
座布団と腰ベルトを外せば、3Cと黒ストラップという軍装品としてはスタイリッシュな柄構成も相まって普段使いでも何とかなりそうですね。
防水緩衝ポケットはPCやタブレットを持ち歩く際には安心感があります。
キャンプでの電子機器運搬や夏フェスのお供なんかに最適かもしれないですね。
知っている人が見たら「おっ!」となる事請け合いでしょうし、日本に持ち帰ったらたまに背負って出かけようかなと思います。
背面にMOLLEがあるので、小ポーチを付けたりパッチベースを付けて好きなパッチを貼るのもいいかもですね。
では、次にブットパックを見ていきます。
これはGREGORYのラベルが貼ってある個体をよく見かけますよね。
外側ラベル付きは民間流通品らしいので、軍用装備をされる際は使わない方が無難だと思います。
体に当たる側には硬い板が内蔵されていて、何を入れても体には常に面でフィットするようになっています。
外側のストラップを絞れば圧縮して中身がバタつくのを防げます。
中身は特に仕切り等なく、一部屋です。
外側にも小さいポケットがあります。
IRパッチを貼り付けられるベルクロがあるのも、これまたいかにも軍用ですね。
正直そこまで特別な感じはなく、所謂官給ブットパックと同等の使い勝手だと思います。
唯一特徴的なのは収納式のウエストベルトで、これを使えば単体でも使用可能なのですが、単体使いの使用例を見たことがありません。
というかこのブットパック自体使用例が少ない印象です。
直ぐに思いつくのは下記2画像くらいです。
これはよく見かける写真だと思いますが、後方にパトロールパックが置いてあり、その背面MOLLEにブットパックが取り付けられています。
もう1枚は下記です。
ELCSの背面パネルに着けて使用しているようです。
他にもちょこちょこバックパックの背面にくっついているとは思いますが、意識して見ていなかったので記憶がありません。
今度注目しながらまた数百枚の初期アフ写真を順々にチェックしていこうと思います。
何十回もじっくり見た写真でも、意識する内容によってまた新たな発見があるのがミリフォトの楽しいところですよね。
ウッドランド、3C共に民官品両者結構な頻度で国内オークションサイトで見かけますが、相場のお金を出してまで手に入れるのは余程初期アフに傾倒していないと満足感は得られないと思います。
使用例や使い勝手を鑑みると、初期アフ装備としての調達優先順位はかなり低いと思います。
私が手に入れた個体のファステックスは99年製でした。
内側のラベルは0003=2000年3月と思われます。
この個体はパトロールパックと違い、梱包を開けた途端特有のウレタン加水分解臭が鼻をつきました。
多少ベタツキもあります。
旧正月休みに「重曹ぬるま湯漬けの刑」に処したいと思います。
関連過去記事:「劣化した防水コートの除去」
メインパックと全部並べて眺められる日が待ち遠しいです。
3C SPEARは既にBALCSは持っていますので、あとはELCSを入手すれば「初期アフ三種の神器(3C)」コンプリートとなります。
正統派の2001年5th装備には不可欠ですので、初期アフファンとしては避けては通れぬアイテムですね。
焦らずじっくり入手のチャンスを待とうと思います。
お読みいただきありがとうございました。
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